官民連携とは、リスクを相互に分担するということ

民間の活力を活用して、より効果的な行財政運営をというのは、自治体が唱える定型文になっています。

これは、行政に対して、民間が活力を提供することを意味します。

民間が提供するからには、行政も何かしらを提供する必要があります。

そして、この双方向のやりとりが成立するからこそ、成り立つのが官民連携になります。

この提供をお金にしてしまえば、委託と受託の関係で簡単なわけです。

そのほか、行政側が建物や土地のような物で提供する場合もあります。

しかし、この場合、民間としては、建物や土地だけでは利益が出ないので、その活用をして、収益を生み出すことになります。

これは、民間側が活用をして収益を生むというリスクをとることになり、そのリスクをとるためには、建物や土地が無償だったり、格安で提供されるということによって、双方の目的が達成されることになると思います。

この場合を行政側から見てみると、無償、格安で提供することに対して、議会や市民への説明をする責任、リスクが発生するわけで、双方のリスクが均衡した状態が実行される状態ということになると思います。

最近は、人口減少で地方では土地も建物も過剰な状態になっています。

そのような場所の土地や建物の場合は、無償で提供して、民間が活用しようとしても、収益を上げられないリスクが増えています。

その場合、行政はどう対応する必要があるのでしょうか。

簡単なのは、お金を払うので、活用してくださいというお金での解決です。

これは財政が厳しい現状では選択肢として採れる自治体はほとんどないでしょう。

しかし、それではリスクの負担が行政と民間では均衡しません。

そのため、行政はさらに何かしらのリスク負担を覚悟する必要があります。

そうしないと、民間からすると、行政はリスクを取らずに民間に丸投げしているように見えるからです。

では、どのようなリスクをとれるのか。

それは、計画変更のリスクを負うということだと思います。

民間にとって、行政の一番困る点は、一度決めた計画を変更できないということです。

この計画を状況に応じて変更できるという条件がつけば、民間にとってはリスク分散になります。

行政としては議会や市民説明などの負担が出ますが、そのリスクは負担する必要があります。

期間を延ばしたり、規模を拡大、縮小したり、実施内容を変更したり、実は実施された後にはいつのまにか修正されているものもあったりするのですが、それをスタート前から修正していくことで、事業者側のリスクは大きく減らすことができますし、よりニーズに合ったものにすることができます。

コーポラティブハウスというのは、この場所に住みたいという人が集まって、どのような住まいをつくるか、オーダーメイドで住まいを作っていくものです。

そのため、人が集まった後に、メンバーの入れ替えがあるのはもちろん、設計内容や機能変更なども随時行われます。

しかし、そのような個別のニーズにこたえていくことで、ずっと住み続けたいと思える環境ができますし、一緒に議論をすることで相互に理解が深まり、コミュニティが形成されるというメリットもあります。

今後の行政の取り組みはこのような状況に応じて絶えず変化させ、ニーズにこたえていくというものが増えていくことになると思います。

従来型の議会、市民説明のあり方では対応できないので、そちらにもこの効果は波及してくるでしょう。

おそらく、最初は議会、市民の反発というのはかなりあると思います。

それは行政の文化に議会、市民も慣れているからで、一歩引いて自分の生活を見てみると、日々状況に応じて微調整をしていると思いますし、そうした方が失敗が少ないということに気づくと思います。

右肩上がりの経済成長時代からの行政のあり方の変化というのは、このような形で出てくると思います。