まちづくり

定年後の男性が集まる場はどこか

私が社会の課題として認識しているのが、定年後の男性です。

これまで職場と家の往復だけで、土日は家で休んでいただけという男性は意外と多く、その人たちの定年後の過ごし方というのは一歩間違うと非常に空疎なものになってしまいます。

典型的なパターンとして、定年後はまずは身近なところ、地域に目を向けようということで、それまで全く関わってこなかった自治会や地域の趣味の活動グループに顔を出してみます。

ここでうまくできる人は良いのですが、会社では定年間近で最年長だった人が、地域に入ると下っ端になります。

さらに言うと、地域では仕事も社会的背景も様々な人たちがいる中で下っ端として扱われるので、それに耐えられないという人は少なからずいます。

実は、最初のうちに少し我慢して活動をしていると、実力が認められて、扱いも変わってくるものですが、あまりの落差に1回顔を出して終わりという人もいるようです。

そこで出てくるのが、職場のOB会です。

これは仕事をしていたときの役職などがそのまま自分を映す鏡となるので、仕事を満足にできていた人はすんなりと入りやすいですが、嫌な上司がいたり、あまり希望通りの仕事ができていなかった人は入りにくいという点があります。

次にあるのが大学の同窓会です。

ここももちろん縦社会ですが、大学という社会的背景が同じなだけあって、納得感が得られやすいという特徴があります。

ただ、同窓会の活動というのも活発にあるわけではないので、それだけだと物足りないという人も多いのではないでしょうか。

その後、探すのが仕事ですね。

まずはハローワークに行きますが、60代以上の求人情報というのはなかなか厳しいものがあります。

正規職員というのはないですし、仕事内容も限られてくるので適切な仕事を見つけられる人はそれほど多くありません。

そうなると、パートでもということでシルバー人材センターに行ったりするのですが、首都圏だと仕事内容がマンションの管理人程度で、仕事内容と求職者の意向がマッチしないことが多いです。

そのような背景があって、同窓会で出会った人と起業しようという人もいますし、県人会などを母体として起業に近い取り組みをされている人たちもいます。

最終的には仕事に戻ってくるということなのかなと思います。

起業というのは心理的なハードルも高く、お金もかかるため、同じような考えの人たちが集まる同窓会などはうまく活用できそうですね。

働き始めるとその人たちのことを地域で見かけることはほとんどなくなります。

地域での仕事というのは儲からないため地域でビジネスをする人が少ないからと、基本的にはその人たちのそれまでの経験を活かしたビジネスになるからです。

すべての人がこのような流れをとるわけではないですし、またすべての人がうまくいくわけでもありません。

むしろ、うまくいかないでなんとなく過ごしてしまうという人の方が多いような気がします。

それを防ぐには、くすぶっている期間の人をうまくマッチングさせる仕組みが必要で、そのためには企業の協力、同窓会等の協力というのも大切になってくると思います。

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