まちづくり

まちづくりで大学生が意識すべきこと

まちづくりに大学生が関わる取り組みというのは、多くの人が考えることで、私自身も10年以上前からいろいろな取り組みをしてきました。

その中で

  1. 大学生と関わる地域が認識すべきこと
  2. 大学生自身が意識すべきこと

というものがある程度明らかになったと思っています。

ということで、ここでまとめておこうと思います。

大学生の特徴

前提1 大学生は卒業する

当たり前ですが、大学生は卒業します。

そのため、数年したらその場所を離れる可能性が高いです。

これは、地域のしがらみにならないという点でポジティブですが、人が変わると継続できないというネガティブな面もあります。

前提2 大学生は学業が本業

大学生は当たり前ですが、授業に出なくてはいけません。

そのため、授業以外の時間しか活動ができないため、関われる時間は限られます。

3,4年生になると時間が空くのかと思いきや就活が始まるので、結局あまり時間はないというのもあります。

大学生が関わる上で配慮すべきこと

こういった前提条件を理解しておくと、まちづくりとして継続した取り組みをする上で、大学生にどう関わってもらえば良いかというのが考えやすいかと思います。
これまで大学生と接してきて、3つのいずれかに該当すると大学生は動くのかなというのを感じています。
それは、単位とお金と就活です。
単位というのは本業の学業があるので、授業の一環として、ゼミの活動として実施する場合は、半ば強制的になりますが、参加を促すことができるということです。
次に、お金についてはアルバイトをしている学生が多い中で、アルバイトの時間をまちづくりにあてるのであれば、お金ももらえて一挙両得ということになるのかなと思います。
3つめの就活については、就職活動のネタとなることやスキルアップにつながるということがわかると、卒業後の進路決定に大きなメリットがあるので、活動誘因になりやすいという点があります。
以上の3つの点について述べましたが、大学生が関わる上での大前提としては関心があるということがあります。
単位であれば、関心のある授業を履修しているからですし、お金についてはアルバイトよりも面白そうだから選択するということになりますし、就活についても将来そういった仕事に就きたいという意識があるからこその選択です。
関心がない学生をどう巻き込むかというのは別の話になるかと思います。

大学生がまちづくりに関わる中で意識すべきこと

これまで述べてきたことは、まちづくりに携わる社会人側が意識すべきことです。
大学生としては、この部分を意識するというよりは、こういったことを理解できていない社会人とまちづくり活動を行うのはリスクがあると思っておくと良いと思います。
では、大学生側はまちづくりに関わる上で何を意識しておくべきなのか。
それは、大学生が地域からどう見られているかということを意識しておくことです。

若いということ

これについては、いうまでもないことかもしれませんが、若いということをもう少し分解して考えてみたいと思います。

それは

  1. 未熟であることが許容される
  2. 将来を担う存在としての期待をされる
  3. 若い世代の認識、考え方を持っている

という2点が考えらえるのではないかと思います。

未熟であることが許容される

1つめの未熟であるということについては、開き直ってもらっては良くないですが、多少のミスは許されるということです。

言葉遣いなど、社会人としてのマナーが身についていないというのは当然だと思います。

ないことが理想ではありますが、寝坊をしました、期限までに間に合いませんでしたというのは起こりうることとしてとらえられていると思います。

逆にいうと、ここの部分がしっかりできているだけでも、かなり評価は高くなるということだと思います。

将来を担う存在としての期待をされる

年配の人たちであればあるほど、私たちは老い先短いからといった発言が出てくる気がします。

もしかしたら、自分の世代では変わらないという若干のあきらめも含まれているのかもしれませんが、これからの社会を担う大学生にまちを支えていってほしいという期待がされていると思います。

任せてもらえるというのはまちづくりにとってはとてもありがたい環境で、このありがたみというのはしっかり認識した上で取り組んでいくと良いと思います。

逆にいうと、期待を裏切るような行為があると、次の世代の大学生たちが苦労をすることになります。

地域によっては、また大学がやっているといった反応になってしまうところもあると思います。

若い世代の認識、考え方を持っている

大学生に期待されるのは、ここが一番大きいのではないでしょうか。

ワークショップなどで良く出てくるのは、10年前でいうと、テレビは見ないという発言、最近でいうと、Facebookは使わないといった発言でしょうか。

10年前はテレビではなくインターネットで情報収集というのはまだまだスタンダードではなくて、年配の世代はあまり使っていませんでした。

最近ではそれがネット検索からSNS検索に変わっていたり、さらにはSNSも世代別の利用状況が変わっています。

こういった情報を地域にいる人たちはなかなか実感する機会がなく、大学生と関わることを通して学んでいき、その状況に対応したまちづくりを行っていくといったことが必要になってくると思います。

利害関係がない

利害関係がないというのは、大学生の大きな強みだと思います。
地域で商売をしているわけではなく、土地や建物を所有しているわけでもないので、地域の利権や既得権益とは無縁です。
純粋に地域のためにといった気持ちから発展した取り組みであることが多いため、多くの人に受け入れられやすいといった部分があると思います。
そのため、ワークショップのファシリテーターや調査のインタビュアーとしては最適で、普段は聞き出せないことも聞けたりといったこともあると思います。
このことは、大学生はいずれ卒業し、就職をきっかけにその地域を離れるといった前提も大きいのかもしれません。
大学生の時に暮らしているアパートを社会人のまま住み続けるという人はほぼいません。
それは、大学生と社会人では生活リズムが異なり、また資金力も異なるので、同じ場所に住み続けたいという意識が働かないというのも大きいと思います。
地域に仕事がないというのはもちろんですが、住環境も含めた住み続けられない原因というのもあるのかもしれません。

学術面での最先端

私が大学生の時に大学の先生から言われたことなのですが、知識の最先端にあるのが大学です。

大学で学んでいることというのは、その時点での日本、世界の知識の最先端の情報にふれていることになります。

ここが中学校や高校と異なることで、中学校や高校はみんなが教わるべきことを教わるため、それを知っていることでアドバンテージはほとんどありません。

しかし、大学の知識は細分化されていて、特定の人しか学ぶことができていない情報です。

その1人として大学で学んでいるあなたは、大きなアドバンテージを持っていると言えます。

今学んでいることは地域の人たちの多くは知らないことだと思います。

その知識は、大いに地域で活きることになるのではないでしょうか。

 

大学生が地域に関わる上で、地域が意識すべきこと、大学生が意識すべきことについて述べましたが、こういった部分を双方が意識できれば、もっと地域のあり方というのは変わっていくのはないでしょうか。

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