2018年11月の安倍首相の訪中の際に、2019年を日中青少年交流推進年として、今後5年間で3万人にするということが決まりました。
単純計算すると、1年間に6千人なので、日本から中国に3千人、中国から日本に3千人ということになります。
訪日外国人は2018年に3000万人を突破しました。(日本政府観光局)
そのうち、800万人以上が中国人で過去最高となっています。
一方、日本からの訪中する人はピーク時は400万人いたものの、今では300万人を割る状況で、そのほとんどが商用目的だと言われています。
これは中国に旅行に行きたいと思っている人がほとんどいないことを表していて、そうなると、3000人の訪中したい人を見つけるにはどうするか、どうしたら中国に行きたいと思うかというのを考えないといけません。
最も大きなのは、費用でしょう。
海外旅行が自由に行ける中で、同じ航空券代を払うのであれば、グアムあたりに行ってしまった方が良いと思う人が多いと思います。
国の事業なのでおそらく参加費が無料もしくは格安というのが想定されるので、この点はクリアしそうです。
次に考えるのは、どの層を訪中させるかという点です。
①中国に行ったことがあったり、親族に中国人がいたりする人たちで、その中には訪中をしたいという人は多いと思います。
ただ、その層は中国に対する理解も比較的深めなので、訪中するインパクトは少ないかもしれません。
次に②中国には行ったことがないが、中国語を勉強していたり、仕事で中国人と接しているという層が考えられます。
2010年の両国関係悪化以降、中国関係のイベントに来ていたのがこの層です。
中国の経済成長に注目していたり、歴史に関心がある人などが多く、中国の特定の分野に好感を抱いていることが多いです。
訪中することで、それまで知らなった中国の側面を知ることができるという点で、ある程度の効果が期待できます。
実は、これらの層は今までリーチできていた層なので、今回、税金を使うのであれば、もう一歩踏み込んだところへのアクセスをしたいなと思っています。
それは、③中国に対してのイメージを特に持っていない無関心層。
そして、④中国に対して負のイメージを持っている反中層です。
ここについては、もう手段としてはある程度強制力のある方法でないと難しいと思っています。
たとえばですが、何か子どもの大会が中国で開かれ、保護者同伴で、その保護者費用は負担しますといった感じだとちょっと抵抗感があった人も仕方ないかなとなりそうな気がします。
これまで①、②が中心だったので、③の層が中国に行くことになると、変わってくるのではないでしょうか。
昨年末の内閣府の世論調査での発表もあったように、18歳から29歳については中国に対する印象が向上しています。
メディアの影響もあるのだと思いますが、中国の製品やサービスに接する機会がある層から変わっているのだと思います。
③の層をある程度の数で中国へというのは難しいかもしれませんが、5年間かけて、少しずつ増やしていけると良いですね。