シニアの移住ニーズは最期まで暮らすよりもマルチハビテーション

50歳以上の方が地方への移住を検討ということが言われて4年。

日本版CCRCに対する地方創生推進交付金も今年度で終わりという自治体も出てきています。

残念ながら新規のビジネスモデルを創出できたところはありませんでした。

唯一にして最後であろう希望としてのホシノマチ団地があると考えています。

このような状況の原因には移住希望のシニアと政策のギャップがあるから発生しているからですが、その一つが移住する時にずっとそこに住み続けようと思って移住するかという問題です。

誰にとってもそうだとは思いますが、引っ越しは面倒ですし、ストレスです。

というのも、そもそも家の整理をしたり、新しい家を見つけたりということが作業として大変ですし、転居をしてから生活に必要なものをそろえたり、買い物をする場所を見つけたりと生活リズムを新たに作らなくてはいけません。

何よりもこれまで親しかった人たち、周囲の環境が変わって、違う文化、知らない人たちの中に入っていくことになります。

引っ越す側としてはそれは大きなリスクです。

それにもかかわらず、生涯活躍のまちでは、地域コミュニティとの共存、地域での見守りということを言われていて、地域への参加が前提となっています。

一人で生きていくだけであればあまり下調べもせずに行ってみるということも可能だと思いますが、近隣の人たちのコミュニケーションが前提となるとそうもいきません。

ましてや、20年、30年と最期までそこに住み続けようとするのであればなおさらです。

実際、移住希望のシニアのみなさんは、そこを終の棲家にしようと思っているかというと、そうではなく、むしろ元気なうちは移住先に住んでいて、介護が必要になったら介護施設に入れば良いと考えている人の方が多いと思います。

これは、まだまだ病院で最期を迎えるという意識を大多数の人が持っていることを意味しているのだと思います。

医療費削減といった観点から在宅診療が言われ、自宅で最期をということを国では推進していますが、そこの流れをマッチするにはもう少し時間がかかりそうです。

特に移住をしたいと考えるアクティブシニアがその意識を持つのは最後の方かもしれません。

そういった状況から考えると、生涯活躍のまち事業は終の棲家として考えるよりも従来のものより住環境を一つ増やした別荘としての感覚や二地域居住、マルチハビテーションとしての活用を含めて考えた方が良いようが気がします。

夏だけ涼しいところで暮らしたい、冬だけ暖かいところで暮らしたいというニーズは非常に高く、かといってホテルにしてしまうと高い。

そのニーズに応えられる場所があると良いと思っています。

地域ごとのお祭りの時期も異なるので、お祭りの時期に合わせて転居するというのもありでしょうし、食べ物がおいしい旬の時期に合わせて移住するというのもあると思います。

こういった住みたい時に住みたい場所にというのは仕事にしばられないシニア世代は実現しやすいのではないかと思います。

ポイントとしては、今マルチハビテーションや二地域居住ができるのは所得がかなり高い方々で、多くの人たちはそれが難しいということです。

この幅を広げられると豊かな生活ができる人がもっと増えると思います。