公務員のコスト感覚は合理的な判断の結果

公務員はコスト感覚がないと言われます。

正確に言うと、民間企業とは異なったコスト感覚が身に着くという感じだと思います。

公務員も人間ですので、民間と同じように給料をもらって働いているわけです。

給料水準は民間並みという形になっていますので、節約をして生活するという習慣も身についています。

では、どこが違うのか。

それは、収入を自らの努力で増やすことができないということです。

民間であればサービスの質を上げて、販売が増えれば収入が増えます。

公務員の場合はサービスの質を上げても必ずしも税収は増えません。

むしろ、景気を良くするために税率を下げるといった取り組みもあります。

自治体であれば人口を増やすことが直結するわけですが、人口増加はすぐに成果がでないので、そこも難しい部分です。

また、人口といっても税収につながる層に来てもらう必要もあります。

一方で、税金は自分が努力を全くしなくても必ず入ってきます。

その理由は、公益性のあることに使うためです。

この公益性というのが公務員の行動のすべての根拠になっています。

いわゆる公共の福祉です。

公共性とコスト感覚というのがなんとも相反するものなんですね。

公共性はコストで測れないものが多いため、公共性があればその行動を優先することが許されるという思考になってしまうからです。

許されるというか、反対できない、正解を自身で判断しかねるというところです。

自身の経験について振返ってみると、たとえばゴミが有料化されています。

紙はゴミとして捨てれば有料ですが、リサイクルに出すと無料です。

しかし、紙にホッチキスがついていたり、テープがついていたらリサイクルできません。

そこでホッチキスやテープを外してリサイクルに出そうというのが公務員です。

ゴミとして出して、省けた時間を他の仕事に充てようというのが民間で、この点が違うところですね。

民間であれば他の仕事に充てることで、収入を増やすことができます。

しかし、公務員の場合は他の仕事に充てたからといって、収入が増えないので、無駄な支出を減らす行動を選択するんですね。

この時、自身の人件費や時間コストについては抜けてしまいます。

民間でも自身の人件費について意識している人はほとんどいないと思います。

意識しなくても民間では違った行動をとるのは、売り上げという最優先目標が設定されているからです。

公務員も窓口業務など優先するものが明確で、かつ時間的に余裕がない部署はコスト削減は後回しになりますが、時間に少し余裕が出るとまず行うのはコスト削減です。

一時期公務員はコスト感覚がないと民間からのトップダウンで経費削減ということが言われました。

これにより一定の成果は上げたものの、目標設定という根本を明確にせず、目先のコスト削減にだけ動いているので、結果としてこのような行動指標ができていたんだと思います。