異動しないのはスペシャリストへの第一歩

この時期行政職員にとってつきものなのが、異動です。

基本的に2~3年で部署を異動する人が多く、10年近く同じ場所という人はほとんどいないのではないでしょうか。

5年もいると、長すぎると感じ始め、異動したいと本人が言い出したりもします。

というのも、異動が当たり前の公務員にとって、異動がないことは、むしろ他の部署で貰い手がいないという形で受け止められがちだからです。

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異動で民間が被る被害とコスト
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一方で、民間から見ると、せっかく信頼関係を築けた人がいなくなり、またその人自身にあったノウハウも他の部署に行ってしまうと大きな打撃です。

民間からすると、行政職員に民間の考え方を教育している部分も大いにあるわけで、そこの理解がない人が入ってくると、またゼロから共有しなくてはいけないことが多く、非常にコストがかかります。

ここは行政が民間に押し付ける見えないコストの部分なので、まだまだ対等な公民連携は難しいなと感じています。

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長い間異動しないことがポジティブな意味を持つ時代に
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今回、異動について考えたのは、公民連携の教科書という本を読んだこともきっかけです。

こちらは、アメリカの公民連携ノウハウをオガール紫波で実践し、そのノウハウを記載したものですが、一つのポイントとして異動のない職員を配置したことを挙げています。

同じ部署に居続けると、仕事に新しい改善の流れが出にくくなあるという点もあると思いますが、それはその職員の心持ち次第です。

1年目に改善したいと思った点が見つかっても、その時にすぐに改善するのはなかなか難しいと思います。

多くが、2年、3年とかけて、1年目にできなかったことを変えていくというのが行政での仕事の進め方になっていると思うのですが、2年、3年と経つと、1年目の時の考えを忘れてしまっていることも多いんですね。

それが5年、6年となってくると、どうせもう異動だしという思いが出てきて、退職前の人のように時間が過ぎるのを待つというような仕事になってしまうのだと思います。

5年、6年と同じ部署にいられる人は、2年目、3年目も継続していろいろ取り組んできた人だというポジティブな評価が得られると異動しないことに対する引け目もなくなってくるのではないかと思うところです。

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優秀な人材ほど異動させられる現状
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異動というのは、管理職になるほど頻繁になります。

そして、管理職になると、ある程度人事に対して意見を言うことができるようになります。

そうすると、前の部署で優秀だった人を自分の部署にまた連れてくるということもできるもので、そのようなセット人事も生まれるんですね。

そうなると、同じ部署で長くというよりは、管理職の異動とともに異動するというような流れになるので、その人は同じ部署でずっと仕事をし続けるのはかなり厳しい状態になります。

管理職の立場としては、優秀な人と一緒に仕事をしたいという思いがあるとは思いますが、そこは本人の意向、そして自治体全体としての利益を考えた人事というものも必要になってくるのではと思うところです。

公務員は全体の奉仕者で、というのは、このような部分にも求められてくるんですね。