行政が負うソーシャルディスタンスの代償

新型コロナウイルスの関係でソーシャルディスタンス、三密を避けるという話が言われています。

これは国や自治体をはじめとした行政が市民に対して求めているものですが、これが制度として組み込まれると行政側にも負担がかかってくることになります。

というのも、これまで公民連携で民間で行ってきたことが、ソーシャルディスタンスを求められることでできなくなるからです。

民間は基本的に収益重視で、収益を重視するにはソーシャルディスタンスと反対のこと、つまり一定の規模で大量のサービスを提供するということが効率的に求められます。

そのため、飲食店、映画館などは狭い空間に多数の人が入れるような形になっているわけです。

飲食や映画でもソーシャルディスタンスの影響をあまり受けていないのは、そのような密を求めず、広い空間や個室で提供するものになるわけですが、それに伴い価格が高くなります。

つまり、これまで公民連携で安価に提供をしようと取り組んできたサービスがソーシャルディスタンスによって高価格化することになります。

もし、従来通りの価格での提供になると、収益性が低下するからです。

ここで、サービス利用者の層をそのままとするか、高所得層とするかという選択が行政には求められることになります。

ただ、これまでの運営の経緯上、いきなり高所得層を狙うことはできません。

というのも、建物であれば内装やサービス内容が高所得層向けになっていないからです。

ここである程度の変更にかかる費用が必要になります。

もし、サービス利用者層をそのままにした場合は収益が低下します。

それでも民間が運営続けられるための補填が求められるわけです。

求められる対応は3パターン

運営に対する補助金を提供

これは一番考えなくて済む方法ですね。

収入が減った分のお金を補填する形です。

しかし、行政としては一番難しいところではないでしょうか。

新たな支出をするというのはもちろん、継続的にその支出が続くというのは負担が大きいからです。

ターゲット変更にかかる開発経費を負担

これは、ソーシャルディスタンスによってサービス内容を変更しなくてはいけなくなったので、そのための開発経費を行政が負担するという考え方です。

開発経費という初期費用だけ行政が負担すればあとは民間の責任で運営されていくので行政としては支出しやすいかもしれません。

ただ、民間としてはどの程度開発すればしっかりとしたサービスが見つかるかわからないというのもあると思うので、比較的高めに要求されることになると思います。

この見積に対しては行政としてははっきりと対抗しにくいので、あまり良い策ではない気がします。

賃料を下げる

これは民間にかかっている負担を減らすという考え方ですね。

単純ですが、支出が減れば収入が多少減っても収益は変わらないという形になると思います。

行政の土地や建物の賃料は高めに設定されていることが多いので、それをソーシャルディスタンス価格に減額するというのは現実的だと思います。

行政としては収入が減ることになりますが、継続的に補助金を出すという判断よりは取りやすいのではないかと思います。

今後、条例改正がどの地域でも実施されていくような気がします。