なぜ東京の自治体は動けないのか

人口減少、財政のひっ迫といった課題は日本全国共通です。

しかし、地域によって課題を解決しようという動きには差が出ていると思います。

特に東京の自治体はその動きが独特です。

おそらく、それには理由があるのではと考えているところです。

今回は都内の市町村で考えてみます。

思いつくままに、列挙したいと思います。

財政のひっ迫度が低い

東京の自治体は税収が多いというのが理由です。

地方交付税交付金の不交付団体がいくつかあるので、他の道府県に比べるとこれは大きな違いです。

ただ、財政の硬直化は進んでいるのと、インフラの改修費についての悩みというのは変わらないので、危険度でいうとあまり変わらないような気がします。

都内の他の自治体と比較しやすい環境

財政が危機的状況だというので、抜本的な取り組みをしようと思っても、近隣自治体と比較されて、実施できないということはあるような気がします。

都内の市町村は人口規模、面積などが似たものが多く、道府県の自治体内よりも比較しやすいという環境にあるのではないでしょうか。

1つの地域だけがサービスを低くすると、その差が明確になってしまうという部分もあるのかもしれません。

人口が多く、面積が狭いので、動きにくい

基本的に10万人以上の地域で、顔が見える環境ではありません。

また、面積が狭く、人口密度が高いので、地域ごとの意見の多様性が出てきます。

企業についても、どの分野も複数の事業者がいるので、公平性についても敏感にならざるをえません。

面積が広ければ地域ごとに分けて意見収集がしやすいですが、面積が狭いと生活圏域が重なってしまうので、地域ごとの特徴的な意見というのは期待しにくく、幅広く意見を聞く姿勢が必要な行政としては行動がしにくくなるという感じです。

人の流動性が高いので、取り組みを積み重ねられない

いつまでも住み続けているのではなく、数年で転居してしまう人が多いと、せっかく地域に関わってくれてもその活動が継続しません。

それをうまく生かす方法もあるとは思いますが、信頼関係が重要な行政としては、せっかく信頼関係を築いてもいなくなってしまう、ということが続くと市民への期待も低くなっていきます。

市民側からすると行政が異動で関係が終わるというのもありますが。

職員の裁量次第?

こうは書いてみたものの、行政独特の固さというのは、その地域性というよりは、職員一人一人の対応次第で大きく変わるのではないかとも思っています。

というのも、行政職員の魅力はその裁量権の大きさにあるからです。

たとえば、窓口で対応した市民の声にどう対応するかというのは、その声を聞いた担当者に任せられます。

自身の体験からいうと、業務外の新たな取り組みの提案などは、聞く、聞かないは担当者次第ということが多いのではないでしょうか。

というのも、業務外とは言いつつも、初めにその話を聞いたということで、関わる理由ができていて、それを錦の御旗にある程度のコミットができる環境はあると思うからです。

特にどの部署が担当なのかはっきりしない案件についてはチャンスですね。

最近では、まちづくり会社のような官民連携の取り組みも出てきています。

そういった組織づくりというものも都内ではなかなか難しいのかもしれませんが、継続してまちづくりを行う仕組みをいかにつくるかというのはポイントになると思います。