今更ですが、行政は構造的に市民の信頼を得られないものだと気づきました

私が公務員になった理由は、行政が汚職などで批判されていて、その信頼を取り戻したいと思ったからです。

実際、公務員になってみると、そういった志の人たちばかりで、それなら民間の立場で行政を応援しようと考えて今に至ります。

ただ、今更ですが、公務員はどんなに頑張っても市民の信頼を得ることはできないという構造的な欠陥があることに気づきました。

いや、そんな悲観をしたくて書くわけではないのですが、読んでいただくとわかると思います。

信頼とはなにか

まずは信頼とはなにかについて考えてみたいと思います。

信頼というのは、そのままですが、信じて頼ることで、それができるのは、一貫性があることが大切ではないかと思っています。

そして、その一貫性を保つためには、個人として、そして組織としての2つの側面で求められてきます。

私が構造的に厳しいといっているのは2つめの組織としての信頼の方です。

個人としての信頼

個人としての信頼は不祥事をしないといった一人ひとりが気をつければ防げることで成り立ちます。

市民の意見を真摯に聞いて、それに基づいた政策を行うといったこともそうだと思います。

公平性や公益性、透明性といったあたりは多くの人が公務員に求めているところではないでしょうか。

あの人に話をすればなんとかなるといった感じの頼りになる公務員の人は多いと思います。

個人の力に頼るところが大きいので、この部分は動きやすいですね。

組織としての信頼

組織としての信頼というのは、個人ではなく、その部署、もしくはその組織全体のことです。

たとえば、担当職員は親身に話を聞いてくれたけど、その上司が動いてくれなかった。

その部署は同意が取れたけど、財務の同意が取れず、予算化できなかったといったことでが起きると思います。

これは、個人の役職が上がったりすると解消されていくことなのかもしれません。

役職が上がれば、それだけ権限も大きくなるからです。

しかし、いくら役職が上がっても避けられない部分が行政にはあります。

そこが行政が構造的に信頼を築き続けられない原因になります。

信頼を築き続けられない構造の正体

信頼を築き続けられない原因は2つだと思います。

それは、選挙と異動です。

この2つは公務員が職務を果たすための重要な要素である公平性を担保するために行われているものだと思います。

この公平性の担保という点のため、信頼を分断してしまうことになるんですね。

選挙という分断

まずは選挙について考えてみましょう。

自治体の首長が変われば、政策が大きく変わることがあります。

そうなると、これまで推進してきた事業がなくなるということは珍しくありません。

大きな方針転換というものもありえることで、それが高い頻度だと4年に1回になってしまう。

まちづくりは4年では成果を残すのは難しく、4年で方針が変わるとせっかく行ってきた取り組みが途中で終わってしまうということも出てくると思います。

選挙は民意を反映したものなので、民意の反映の結果だというのが大義名分ですが、反対票を入れた人やその政策が良いと思って進めてきた人からすると、なかなか納得しにくい部分もあるような気がします。

今は、選挙の結果が自分の生活に直結しない人が多いため、あまり不満が出てこないのかもしれませんが、市民参画を進めて、市民の意向を反映しようとすればするほど、その反動は大きくなるかもしれません。

私が選挙と縁遠いところにいすぎて選挙に対する認識がないからこんな考えになるかもしれませんが、普通の人たちの認識というのはどういうものなのでしょう。

もしかしたら、こういう認識が広まれば、自分の1票が自分の生活に大きく影響があるから投票しようという人が増えて、投票率も上がるかもしれません。

異動という分断

もう1つが異動です。

職員がどれだけ前の場所の事業に愛着があってプライベートも含めて関わろうとしても、異動によって、権限がなくなってしまいます。

そうすると、どうしようもないですね。

異動は希望する、しないに関わらず公平性を担保したり、癒着を防いだりという点で求められるものなので、異動はさせないでという要望に完全に応えることはできないと思います。

構造を変えることはできるのか

では、こういう状況を打破するにはどうするか。

2つ考えてみました。

一つは、選挙、異動をなくすこと。

異動をなくすのは実現しつつありますね。

スペシャリストの育成という部分も含めて特定の業務を行う職員を育成しようという自治体が出てきています。

議会、首長の選挙は厳しいですね。

改憲の問題になってきます。

もし、改憲することができたら、どう変えるかを考えると、直接民主制でしょうか。

投票を電子化すればコストも安く済みそうです。

もう一つは、公務員は辞めさせられないということを逆手にとって、職務権限を超えた取り組みもしてしまうということでしょうか。

そんなことできるんですかね。

異動しても異動前の業務をし続ける。運用として、引き継ぎの途中みたいな言い方をすればなんとかなるかもしれません(笑

そうなると、自分の好きな業務ばかりをやる人が出てくるのでしょうが、それはそれでどうなるかみてみたい気がします。

どんな業務が人気になるんですかね。

異動を避けることはできないかもしれませんが、何年かに1度は希望の部署に配属が叶うみたいな制度は設けても面白いかもしれません。

おそらく人気の部署が偏るので、組織の人数バランスの関係上、実現は難しいと思いますが、市民が望んでいる業務と職員が望んでいる業務の違いが比べられたら面白そうです。

異動希望調査の結果が見られたら現状でもそれはわかりそうですね。

 

最後に構造的な市民の信頼を失う仕組みを打破するための方向性についてまとめると、

選挙は結果を受け入れ、選挙の結果によって行政職員の方向性は大きく変わるものだと市民がしっかりと認識すること。

異動をなくす、もしくは異動を理由にした、人が変わったことを理由とした事業の変更をしないことになるかと思います。

もしくは、民間に委託するという方法もあると思います。

そういう点では、公平性と継続性のどちらを取るかという判断をそれぞれの部門ごとに行っていくのが良いんでしょうね。

書いていて、現在自分の中でこれと矛盾している気持ちも持っていることに気づいたのですが、ここまでにしておきます笑

あと、冒頭の公務員の不祥事についての部分に戻るとセンセーショナルな不祥事というのはなくなってきていて、そういう意味での信用回復というのはできているのではと思います。

こう言った部分は個人の行動でなんとかなる部分なので、私が考えているのはさらに一歩進んだ信頼の部分になっていて、欲張っているだけなのかもしれません。