公務員が民間に転職するにあたって、不足している力とは何か

新卒で公務員になると、民間に転職したいなと思ってもなかなか思い切れないと思います。

というのも、専門性もないし、民間で通用するのかもわからないしということで、不安だらけだからです。

私はそんなことはあまり気にせずに公務員をやめてしまったのですが、民間経験ゼロから民間企業に入ったことで、自分のどこが通用して、どこが足りないのかというのを身をもって体験しました。

起業となると、また他の力も必要とされますが、ここでは転職するにあたっての力について述べたいと思います。

主には

  • 収益ファースト
  • 適切なえこひいき
  • 売る力

の3点だと思います。

収益ファースト

これは何をするにおいても収益を念頭においた考え方をするということです。

公務員の世界で事業計画を作るといったら、いつに何をやってということだと思います。

収入や支出を考えることはほとんどありません。

もちろん、予算化するために翌年度の費用などは想定するかもしれませんが、民間では支出に対してそれを何年で回収し、いつまでにどの程度の利益を見込むかという長期的な見通しを立てることを事業計画と呼びます。

私は事業計画と作るように言われたときに行ったのは、その事業のコンセプトや取り組み内容を作成するだけでした。

しかし、民間だとその取り組みをするためにはどの程度のコストがかかって、どの程度で収益化できるかということまで考える必要があります。

そこの違いに驚いた記憶があります。

適切なえこひいき

公務員は公正、中立の立場でというところをいたるところで意識します。

しかし、民間はそれを求められません。

それよりもより良いプロダクトを生み出すことが求められます。

そのため、契約もプロポーザルなどで行う必要はないですし、随意契約が普通です。

むしろ、慣れたメンバーと効率的により良いものを生み出せた方が喜ばれます。

また、お客さんに対してもそうです。

何度もリピートしてくれる人に対しては、それだけのリターンをするというのも全く問題がないですし、この人の方が適していると思ったら公平性などは無視して優先して提供するということが適切ですし、求められると思います。

行政だと弱者保護といった観点が出てきますが、民間の場合はお金がある人を相手にしないという意識が大切になります。

売る力

いわゆる営業力ですね。

公務員も調整ということで、それぞれの部署や市民の意見集約を図ることはあります。

しかし、それは往々にして自分から進んでやるのではなく、求められて行うことだと思います。

民間の場合は求められていなくても、潜在ニーズを掘り起こすためにアプローチをするということが求められます。

営業というと飛び込み営業のようなものを意識しがちですが、電話だったり、メールだったり、ダイレクトメールだったりといろいろな方法があります。

ただ、売る力というのは営業担当者だけに求められるのではなく、新たな顧客を開拓するという点で企画部門等にも求められます。

この部分がクリアできるのであれば、民間でも十分やっていけると思います。

在職中にどのような準備ができるのか

現在においても、民間企業で公務員にどのようなスキルが不足しているかと認識している人は皆無だと思います。

それだけ公務員は転職することが少ないというのと、これまで転職していた公務員というのはそのあたりの力が備わっている人が多かったからです。

私も公務員から民間に移ることをお勧めするわけではありません。

先にも述べた通り、弱者保護の領域は公務員でなくてはできないことなので、やりたいことをしっかりと意識した上で考えるのが良いと思います。

それでも転職したいと考えている人もいると思いますが、転職をする際には、こういった力があるということを履歴書や面接でPRすることが求められます。

どうやってそれをPRするか。

実際の公務員の業務の中でもこれらを必要とする場面はたくさんあります。

営業力についても、市民に対してや他の部署に対して、積極的に働きかけてみる動きをしてみてはいかがでしょうか。

他の部署で縦割りの壁を壊して事業実施に結び付けることができれば、それは営業力が十分に発揮された場だと言えると思います。

適切なえこひいきについても、異動が頻発する公務員の世界の中でスピーディーにチームビルディングを行い残業を減らすなどの効果が出せれば人間関係を構築する力としては大きなPRになると思います。

市民に対しては、業務上では難しいかもしれませんが、仲の良い市民を作ることで、他の部署へつないだり、地域活動で活かすなどもできると思います。

収益については、入ってくるお金を稼げないという点では公務員は難しいところです。

ただ、ふるさと納税や利用料の徴収といった点では増やす取り組みができますし、単年度でなく数年後も含めた収支の想定をした取り組みを行うということを意識することはできると思います。

公民連携に向けて

こういった考え方を意識するというのは、民間に転職を考えていない人にとっても意義のあることではないかと思います。

公民連携ということが言われる中で、公や民間の考え方を知っておくというのは大きな強みになると思います。

また、こういった強みがあるからこそ、民間を活用するのだということも言えると思います。

NPMが言われ始めたことは、民間の活力の活用といった漠然とした意味での活用が言われているだけでした。

それがより具体的にこういった点で民間の力が必要だと言えることも大事なのではないかと思います。