公民連携事業で、最も大きく期待されるのは、コストダウンや成果の向上です。
民間のスピード感やおもてなしなどはお役所仕事が学ぶべきところとされています。
実は、民間が公の事業を担うにあたって、効果をあげられる部分がもう一つあります。
それは、役所が守っている独自の公平性理論から離れた部分で事業ができるということです。
これはどういうことかというと、役所の場合は、数人の意見だけではほかの多くの人の意見がわからないので、実行できないということがあります。
しかし、そういう割にはほかの多くの人たちに意見を聞くことがコスト的にも時間的にもできずに先延ばしになってしまうということがあります。
特に人口の多い都市ではそうです。
一方で、民間の場合はすべての意見を聞かなくても柔軟な判断で事業を進めることができます。
特に、ターゲットを明確にしていると、聞かなくても良い人から意見を聞いて、反映すべきでない意見を反映するということが行政では往々にあります。
たとえば、若者向けの事業を実施するときに、40年前は若者だったという人から意見を聞くという形です。
もちろん、かつては若者だったので、若者だった当時の気持ちを代弁することはできます。
しかし、それはその当時の人の気持ちで合って、今の人ではありません。
そこに微妙なずれが生じて事業が変な方向になるということも多いです。
行政の場合は、そのような人たちの参加を拒否するのは難しいですが、民間の場合はそれがやりやすいのではないかと思います。
もちろん、行政のお金でやっている事業であれば、行政の意向が反映されるため、参加させるべきという声も出てくるかもしれません。
しかし、そこは行政側がうまく利用して、良い事業にするためには、民間の自主性を尊重するのが良いのではないかと思います。