ホテルニューオータニで実施された中日シンクタンク・メディアハイレベル対話のシンクタンク分科会で発表者として報告をしました。
私は別として、他の発言者のみなさんは活躍されている方々ばかりということで、特に印象に残った部分を共有したいと思います。
丸山則夫外務省報道官からは、日中間の人の往来は1000万人を超えた。しかし、日本から中国に行く人は少ないので、それを増やす方法を考えるべきということでした。
確かに、現状ではビジネスで中国に行く人のみで、旅行で中国に行く人はかつてほどの人気はありません。
世界遺産が多く、観光として魅力的な地域が豊富であるにもかかわらず、これは異常なのかもしれません。
周明偉第5回中日友好21世紀委員会委員からは日中関係の中で日本側が中国の発展を受け入れられないことが一つの障害となっている。
保護主義が国際的に強まっている環境の中で、貿易立国の日本と対外開放を掲げる中国はその点で同じ方向性を持っているということでした。
日本と中国はGDPでいうと、その地位が10年前に逆転しました。
それを受け入れるにはまだ時間がかかるように思います。
一方で、大学生など90年代生まれ以降の人たちは、中国に対して、IT先進国というイメージも持ち始めており、世代間の中国観というのは大きく異なっていくだろうなということが予想できるなと感じました。
発表者の何人かが一帯一路に日本が加わっていないこと、加わる姿勢を示してもその分野を限定していることに対して、TPPも含めた枠組みを構築すべきだと言っていたことも興味深かったです。
日本側からすると、中国が一帯一路についてどの程度継続的に実施する取り組みなのかがわからないことに加えて、日中関係悪化による投資回収が不能になるリスクというものがあり、構造的にどうするかは政治的な要素も大きいようです。