ニシノアキヒロオンラインで西野亮廣さんがお勧めしていたので、ファンベースという本を読みました。
ファンを増やしていくことが売り上げ、会社の成長につながるという考え方で、これまでのテレビ広告などは一時的な認知度は高まるものの、ファンを増やすのには効果的ではなく、ファンを大切にする取り組みをする必要があるという話でした。
その取り組みの中心は、双方向のやり取りができるネットになってくるわけですが、ネットで情報を収集しているのは東京だけであって、それ以外の地域はまだまだテレビの影響力が強いというのが事実のようです。
首都圏ではネット、地方ではテレビというのが効果的ということでした。
ファンがなぜ大切かという話の中で出てきたのがパレートの法則です。
上位2割の人が全体の8割の成果を上げているという考え方で、2割のファンが製品の全体の8割の売り上げをあげるという形です。
カゴメのトマトジュースは2.5%のファンが売り上げの30~40%を占めているそうです。
そのため、このファンを大切にした取り組みをして、ファンを増やしていくことで売り上げを増やしていくことができると考えるんですね。
これを行政に当てはめてみたいと思います。
どの自治体でも確実に言えるのが、市民参加の手法を採っても来る人はいつも同じ人だという課題です。
説明会や議会の傍聴、地域での活動など、一人2役、3役でいろいろなところで見かける人が必ずいます。
この人たちというのは、その自治体のコアなファンと言えるのではないでしょうか。
多くの場合、このコアファンというのは、行政に対して否定的なので、ファンというよりはやっかいな人という認識をしているかもしれませんが、この活動量を行政を応援することで使ってもらえたらとてもすばらしいと思います。
実際、私は都内の自治体の取り組みに関わる中で、そのような事例を見ています。
もともと行政に対してとても否定的だった方が、今ではこれでもかというぐらいに応援側に回っています。
良くも悪くも行政は広告なしで関心を持ってもらえる分野なので、関わろうと思ってくれる人は多くいます。
これはファンの予備軍といえる方々で、そのような人たちを面倒だと思わずにファンにしていく取り組みができると良いのではないかと思います。
少し話がそれましたが、パレートの法則からいうと、2割の人が全体の8割を担っていることになります。
そういった点では、熱心な人たちの意見に耳を傾けておくと、意外とその後ろには声を出していない多くの同じような声があるのではないかと感じたところです。
行政は公平性を重視するため、実際の根拠として、〇〇人が言っているという証拠がないと受け入れにくいというのは事実です。
ただ、その声を上げた人はよほどの熱意と時間がないと他の同じ考えの人を集める活動をするまでには至らないわけで、結局自分の意見は反映されなかったで終わってしまいます。
行政側で、その意見をもとに、同じような意見がどの程度あるのかを把握する取り組みを行ってみる。
そうすると、意外と多くの人が同様の意見だったということが判明するのではないかと思いました。
経済分野と行政分野では同じ理論は当てはまらないかもしれませんが、行政の将来的なあり方として、市民の出した意見に対し、その根拠を市民に求めるのではなく、行政側で努力するスタンスというのは、ネットを使えばコストも下げられますし、あり得るような気がします。