官民の対等なパートナーシップによって…というのは行政側が使う言葉ですが、言葉でいうのは簡単でも、それがどういうものかはなかなかわかりません。
最近ではサービスという概念が役所内にもかなり浸透してはいますが、基本的にそれは市民に対してであって、事業者に対してはお金を払う側と受ける側という接し方が多いのではないでしょうか。
ただ、最近は納税はするものの、役所からお金はもらわないという企業も少なからず出ており、その中での協働となるとスタンスを変えないといけない部分も出てくると思います。
とは言っても、なかなか変わらない部分があるということと、役所は役所なりの理由があってそのような対応になっているというのを理解できるとスムーズに対応できるということもあると思います。
その一つが表現方法です。
役所は基本的にミスを嫌います。
確定的でないことを確定したように勘違いされたり、一度決めたことを後から変更することは市民からの信頼を失うことにつながると考えるからです。
役所が一番恐れるのはこの「市民からの信頼」を失うということです。
その信頼を失わないための防御策が確定するまではぼかすということですね。
私としては、確定する直前まで断定しなかったり、公開しなかったりするので、公開が遅いとか、勝手に決めているという判断をされることも市民の信頼を失うことになるのではと思ったりもするのですが、大多数は一度言ったことを変えていないことが信頼につながると考えているのだと思います。
表現方法について戻ると、企画案に対する評価も同様です。
たとえば担当者が非常にすばらしいと思っていても、自分のすばらしいという判断が必ずしも成功するものとは限りません。
そのため、すばらしいという表現はせず、「こちらで良いと思います」のような表現になります(笑
すばらしいという表現を使ったとしても、「現段階ではこちらの案が最善かと思います」というような感じでしょうか(笑
逃げ道を残しておくというのが大切なところで、そういう点からすると、事業者としてはその時高評価を得たとしても、状況が変わると評価されないという状況もなくはないという意識が必要になります。
これは役所の事業のリスクの一つです。
民間ではもっとひどいことがあるよ、という話もあるかもしれませんが、役所だからといって安心してはいけないという話でした。
基本的には評価に対しては前向きに自動変換していただいて、あまり褒めてはない感じに聞こえても、とても良い評価をもらっているんだなとポジティブにとらえて良いかと思います。