その異変はフライトの中からはじまっていました。
航空会社が中国国際航空だったということもあると思うのですが、中国人スタッフが子どもに対して、めちゃめちゃ話しかけてきます。
脇を通る時には子どもに向かって一言二言言ってから去っていくということがままありました。
そして、北京で飛行機を降りて、バスに乗って飛行場まで向かった時に、それは起きました。
抱っこひもで子どもを抱えている私を見つけると、中国人が席を譲ってくれるのです。
その後、手荷物受取のため電車に乗る時も同様でした。
羽田空港までは地下鉄に乗っていったのですが、日本ではそのようなことはなかったので、驚きました。
北京、長春は日本よりも寒かったです。
最高気温が13度で明け方は3度ぐらいになります。
しかし、子どもは半ズボン状態でずっと過ごしました。
抱っこひもで抱えているので暖かいだろうという思いがあったのですが、その様子を見て、おそらく100人ぐらいから「寒くないの?」と言われました。
その声は飛行機を降りたところにいる清掃の人から、フライトを待っているときにベンチで正面にいた人、路上を行きかう人など多くの人が言っていました。
最も驚いたのが、飛行機のボディチェックの時にその担当の人たちが笑顔で接していたことです。
日本でもそうだと思いますが、この仕事の人は基本的に無表情で機械的にチェックしていると思います。
しかし、子どもがいることで、笑顔になったり、さらには他の場所から子どもに近づいてきて、かわいいと言っているということがあったのです。
中国の人たちがここまで子どもに対してやさしいとは思っていなかったので、非常に印象的でした。
中国は子どもを保育園に預けられるのが3歳からです。
その話を聞いていて、中国では子育てはしにくい環境なのだと思い込んでいました。
しかし、今回、周囲の暖かさを感じ、制度とは違った子育てのしやすい環境があるということが体験できました。
日本の少子化の原因というのはここにもあるのかもしれません。