多世代交流が難しい理由
私は多世代交流というのは、聞こえは良いですが、実現は非常に難しいと思っています。
というのも、同世代同士でいる方が楽しいからです。
前提となる知識は近いですし、会話のスピードも近いです、またライフスタイルも近いので、共有できることが多いんですね。
逆に言うと、この多世代交流が実現できるかどうかは、世代間による考え方のギャップ、会話を含めた身体能力のギャップ、ライフルタイルのギャップを埋める何かが必要になるということになります。
たとえば、親子であれば、気軽に電話をして聞いたり、少々面倒なことでも家族だからということで大目に見ることもあると思います。
これが、コミュニケーションギャップを解消していることになるわけですが、他人同士となるとなかなかそうはいきません。
そのため、私はこれにはある程度コストを払う必要があると考えています。
そして、それはメリットを享受する人が費用負担をすべきです。
多世代交流で恩恵を受けるのは誰か
では、多世代交流で恩恵を受けるのは誰なのでしょうか。
若い世代にとっては、人脈、経験、知恵、信頼感、時間と行動力。
シニア世代にとっては、最新技術の知識、活力。
といったものが挙げられると思います。
このように列挙してみると、項目としては若い世代が受けられるメリットの方が多くなりましたが、結局は若い世代の強みである最新技術の知識、活力とシニア世代の強みである時間と行動力のマッチングになると思います。
というのも、人脈、経験というのは、その人それぞれの分野があり、必要としている若者に必ずしも届かないことも多く、それに対して、時間や行動力は仕事を抱える若者にとっては不足する部分だからです。
マッチングの場があれば良いですが、まだまだそこの環境は整っていません。
仕事と地域では異なった役割分担で考えた方が良い!?
仕事は、シニアというか年長世代が人脈、経験、知恵、信頼感を与えて、若い世代の活力と行動力で推進していくという体制だと思います。
しかし、交流のような地域活動になってくると、この立場が逆転します。
若者の発想をシニアが実現するという体制です。
若者が地域に関わらないということが言われると思いますが、若者は地域に関心がないわけではありません。
関心を持っても、行動する時間がないのと、行動したいと思えるほどの魅力がないことが問題です。
行動する時間がないというのは、仕事をしていて、平日の日中は時間がさけないということがあります。
魅力がないというのは、地域が若い世代の意見で動いておらず、年配の人たちの意見で動いているため、自分たちの意見が反映されないからです。
自分たちの思い通りのことができなければ、自分たちの思い通りのことが実現できる環境を優先するのは当たり前で、それが自分たち世代だけの活動につながってくるのだと思います。
そのため、私は声を大にして言いたいのが、地域では年配の人たちは自分たちの意向を通そうとせず、若い人たちを優先しましょうということです。
もちろん、すべてとは言いません。
年配の人たちも若かった頃は同じ道を通ってきていて、それに耐えてようやく今があると思います。
このままではずっと自分の意見が通せずに終わってしまうと考える人もいると思います。
ただ、社会が変化していて、魅力的な活動が世の中に多くなり、地域に関わらなくてはいけないという伝統、慣習、社会の目が弱まっています。
また、人の考え方も変化していて、やりたくないことはやならくても良い。他の場所を探せば良いという人も増えています。
そういった他の魅力的な活動に対抗するための環境というのは、少し我慢して作る必要があるのではないでしょうか。
青年部のような年齢制限を設けた活動をするのも一つです。
世の中の青年部の多くが衰退しているのは、人がいないから青年の年齢要件をそれに応じて引き上げてしまっているからで、実質青年部になっていないからです。
年齢制限をしっかり設け、年齢を超えてしまい、人がいなかったら、新たに該当する人が現れるまでは青年部を休止しましょう。
年齢を段階的に引き上げるのは、青年部の卒業生の行き先がないからで、これを作っておくことも大切ですね。
若い人たちの意見を尊重するというのは、一見シニア世代をないがしろにしているかに感じるかもしれませんが、年長者を尊重するという考えたは日本共通のものであって、意見は尊重しても、立場としてはシニアを立てるということになると思います。
特に地域の担い手はシニアの方々です。
その人たちが若者の意見を聞いて、実現していって、若者が住みたいまちにしていったとしたら、とてもすごいことだと思いませんか。
私はそんな地域のつくり方ができたら面白いなと思っています。
意見を言う若者、それを実現に向けて担うシニア。
そんな役割分担、なかなか難しいですかね。
面白いと思ってくれる人と始めていきたいです。
起業をして思うのですが、意見を言うだけであれば、誰でもできます。
大切なのはそれを実行することです。
その実行には、それまでの人脈、知識、経験というのが大きくものをいうので、楽しくなると思います。
そして、日本を大きく変えていくことになるのではないかと思っています。