前回は日中友好協会に関わる人の大きな流れについて述べました。
80年代をピークに関わる人が減少してきたと思われるのですが、減少したのはビジネス関係を目的とした人たちが減ったからではないかと考えています。
というのも、国交正常化当初は中国に関われるのは、日中友好協会に代表されるような一部の団体を通してに限られたため、旅行会社などは関わらざるをえないという状況があったからです。
日本と中国の関係が普通の関係になればなるほど、友好をとなえる必要はなくなるわけであって、そういった面からすると、日中友好協会は自分たちの目的を果たした結果、その役割が薄まってきているといえます。
ビジネスも企業が単独で中国側とやりとりができるようになると、わざわざ中間団体を通す必要はないわけで、自然な流れと言えます。
そして、残った人たちは平和、友好を実現したいという想いを持つ人たちになっていったのではないかと思います。
では、今日中友好協会に参加する人たちの目的は何なのか。
今は、中国の人と接したい、中国語を話す機会がほしいというのが大きいような気がします。
その点では、他の団体とほとんど変わらない状態になっているわけです。
では、どこで差別化をするのか。
それは、歴史と信用に尽きると思います。
1950年からずっと存続しているという歴史に加えて、国交正常化に貢献したということ、またそれを担ってきた人々がいまだに活動しているという団体は他にはなく、大きな信用力があります。
また、一度所属するとずっと活動ができるのも利点です。
大学などだと、卒業したらOB・OG扱いになってしまいますが、NPOだと卒業がありません。
同じ人がずっといるという環境は中国側としても安心で、信頼関係を築きやすくなるという利点もあると思います。
もちろん、自分たちで新たに団体を立ち上げたり、大学のサークル活動などもメリットはあると思いますが、中国とずっと関わってみたいと思う人には日中友好協会は良いのではないかと考えているところです。