深圳で考えた国際競争力の根本

深圳に来ています。

来たといっても、1泊だけの短期滞在です。

ファーウェイの本社見学など、深圳らしさを見てきたのですが、そこで起業の国際競争力について考えさせられました。

日本と中国の多くの分野においてもそうなのですが、日本の戦後のものづくりの成長と今の深圳の成長というのが重なって見えたというのが大きいです。

具体的に言うと、一時期のメイドインジャパンの印象というのは、安かろう悪かろうというものだったと言います。

それが高度成長期を過ぎたあたりから日本の製品が世界の最先端の商品を生み出すようになっていきます。

そして、品質が向上し、安心を提供するブランドとしての地位を確立していったという流れになりました。

これは、安い労働力、円安という力を利用した国際的な優位性を持っていたからだと思います。

実は、これが中国においても同じことが言えて、安い労働力、元の固定レートという強みを活かして中国の産業は伸びてきたと言えます。

安い労働力でコストダウンをして、その分の費用を他のことにかけることができます。

今回ファーウェイの本社を見学しましたが、見学施設を併設できることもそのような強みを活かしてこそのもので、日本で同様な取り組みをしようとしても費用対効果に見合わないという結論になるのではないかと思います。

人件費というのはすべてにおいて大きく影響を与えるもので、これまでの資本主義社会は人件費を抑えることが競争力をつけるものだということで進められてきましたが、中国はまさにその延長線上にあるものだと思います。

これが労働力不足の環境になってくると人件費の抑制は難しくなることが必須で、その時に競争力を図るものは、人件費以外のものになってくるかもしれません。

コストよりも働く人の満足度など、計測しにくいものになってくるような気がします。

とはいっても、世界はまだまだ人口が増え続けるため、変化が起きるのはまだまだ先になると思いますし、もし世の中から発展途上国がなくなり、どの地域も一度は人口停滞局面に入った頃には日本の人口は均衡もしくは増加に転じていたり、ほかの国の人口が増加していたりして、結局変わらないかもしれません。

深圳市の人口は約1200万人ということで、東京と同じ規模のまちになります。

深圳がある広東省1省で人口が約1億人。

広東省第一の都市である広州市は人口約1400万人です。

深圳は人口規模としては2番目ですが、経済特区にしていされてからの40年間で急速に成長をしており、過去の歴史を全く感じさせません。

人口の3分の2がほかの地域からの移住者ということからも、人口を引き付ける仕事、魅力というものがあふれていることがわかります。

話を国際競争力のことに戻しますが、人件費に加えて、生活コストも一つ重要な点だと思います。

たとえば、深圳で生活できるお金は日本よりも少なくてすみます。

そのため、同じ金額の給料だとしても、深圳の場合は満足度が高くなります。

満足度が高いところほど、人材は残りますし、人も惹きつけます。

もちろん、この人というのは、中国では中国人がメインですし、日本では日本人がメインです。

しかし、中国人でも日本人でも同じ人で、たとえ受ける教育内容が違っても、その教育というのはビジネスに直結する教育ではありません。

そのため、結局生活費が低いところにいる人たちに仕事が多く集まり、その地域が発展していくことになります。

これは現状の資本主義の構造的には必然的なことであって、だからこそ日本企業も海外に工場移転を行ったりしているわけですね。

先にも述べた通り、人口が増え続けるという世界情勢の中ではこの構造を変えることは簡単ではないような気がします。

人口減少という課題の解決というのは、一部の国にしか必要のないことなのでしょうか。

解決策の結果、新たな価値観、考え方を生み出し、構造を変えていく。

そんな流れができればと思っています。