生涯活躍のまち

70歳定年は悪か

5月15日の未来投資会議で、希望する人が70歳まで働き続けられるよう就業機会を確保することを企業の努力義務とする方針が出ました。

2020年に法案提出とのことです。

労働力不足で働き手がいないから定年を伸ばすというのが多くの受け止められ方のようです。

これは、現役世代の多くが65歳を過ぎたら働きたくないと考えているからだと思います。

実は、高齢者へのアンケート調査だと、働き続けられるうちはできるだけ働きたいと答えている人がかなりいるんですよね。

70歳まで働きたい人は約8割

平成29年版高齢社会白書だと、70歳まで働きたいで21.9%、75歳まで働きたいが11.4%、80歳までが4.4%、いつまでもが42%と70歳以上まで働きたい人は全体の79.7%になっています。

私が今回言いたいのは、このことではありません。

私が言いたいのは、これからは働くことに対する思いが変わってくるだろうということです。

今は、働き方改革やブラック企業という表現がされるように、お金を稼ぐために働いている。

お金を稼ぐためには嫌なことも仕方がないと考えて働いている人が多いと思います。

どちらかというと、嫌々やっている感じですね。

おそらく、これからは徐々にやりたいことを仕事にする人が増えてくるのではないかと思っています。

というのも、成熟した社会になって、食べることに困る状況の人はかなり少なくなりました。

また、多くの人と同じ道を歩んでいないことに対しても寛容な社会になっています。

もちろん、豪華な生活をするためにはかなりのハードワークが必要になってくると思いますが、自分の好きなことを仕事にしてそれほど収入が多くなくてもなんとなる社会になっていますし、フリーだからといって、変な目で見られるということも少なくなっていると思います。

今の20代、30代が60歳近くになる30年後には、それがもっと寛容になっていると思います。

経済が縮小しているとしたとしても、これだけ機械化が進んでいるので、食べるものに困る状態にはならないと思います。

もし、移民を受け入れて、経済が一定程度の水準を保っていたら、日本人の有権者数は外国人労働者に比べて少なくなっているので、日本人としての価値は相対的に上がっているはずで、より良い待遇が得られるようになっているかもしれません。

そのような環境下では、仕事というのはお金をもらえる趣味のような感じになっているかもしれず、そうなると誰もやめようとは思わないのではないでしょうか。

これからは自分の好きなことが仕事になる時代

これは私が実現したい未来の仕事観で、誰もが好きなことを仕事にして生きる社会というのを実現できれば良いなと思っています。

好きなことは仕事にしない方が良いという話を聞いたことがあります。

これについては以前も述べていますが、ビジネスというのは同じことを低コストで繰り返すことで収益を上げています。

多くのお金を儲けなくてはいけない状況になると、自分が必要以上の回数を繰り返すので疲れてしまったり、面白くなくなってしまったりということが発生するので、このようなことが言われるのだと思います。

しかし、健康で文化的な最低限度の生活をしていく程度であれば、自分が楽しいと思える範囲で仕事をしてやっていくことも可能なのではないでしょうか。

1日中好きなことをする生活を想像してみる

こう考えると、もしかしたら、好きなこと、楽しいと思えることを探すことが大変になる時代が来るかもしれません。

というのも、1日2時間程度やっているだけではおそらく生活していくだけのお金は稼げないと思うので、1日8時間×5日/週やっても飽きない、楽しいと思い続けられるほど好きなことを見つけなくてはいけなくなるからです。

これまでの世界では、そのような生活をしている人はほとんどいません。

そのため、そんなに好きなことが本当に見つかるのか、そもそもあるのか疑問に思うかもしれません。

好きなことを見つけるというのは、私は体験してみることがとても重要だと思っておりまして、早いうちからいろいろなことに1回だけでも触れてみる機会をつくることが大切になるのではないかと思います。

好きなことといっても、一つだけでは生きていけない

好きなことと言っても、お金を得るには結局需要と供給のバランスがあるものになってきます。

たとえば、みんなが絵を描くのが好きだったら、絵は余ってしまってお金を稼ぐことができなくなってしまいます。

そうなると、絵と他に好きなことを組み合わせた仕事をすることになると思います。

たとえば、教えることが好きな人であれば、絵の先生に。

たとえば、ガラス細工が好きな人であればガラス細工に絵を描く人に。

たとえば、パソコンが好きだったら、パソコンで絵を描く人に。

今も何か好きなことがあって、それに近い仕事をするという人は多いと思います。

ただ、その近い部分についてはあまり関心がなくてもやっている人が多いのではないでしょうか。

教えることはあまり好きではないけど、安定しているから絵の先生とか。

チラシづくりは好きではないけど、デザイナーとか。

仕事の選び方として好き×好き×好き…というような絞り方をしていくと、自分のオリジナルの仕事にもなりますし、強みにもなるような気がします。

実際、ここまで自分の好きを把握している人もかなり稀かもしれませんが、将来的にはこのような選択がメインになってくるのではないかと考えています。

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