生涯活躍のまちのターゲットとなる所得層とは

生涯活躍のまち事業は、地域による豊かなアクティブシニアの奪い合いです。

というのも、豊かなアクティブシニアであれば、一定程度の所得があり、もしかしたら税収もあり、かつ元気なので消費もあり、医療や介護費もかからないからです。

そして、もし医療や介護が必要になっても、有料老人ホーム認定を受けている高齢者向け住宅に住んでいれば、その費用は転居前の自治体が負担になります。

このようにみると、受け入れ側の自治体としてはまさに良いづくめの事業ですね。

ただ、もし金銭的に余裕のないアクティブシニアだった場合は、生活保護を支払うリスクや消費効果の期待も薄く、高齢者向け住宅に住む余裕もなければ医療や介護の費用の負担にもなってしまいます。

このような理由から、豊かなアクティブシニアを受け入れたいという思いが強いわけですが、この豊かさとはどの程度のものなのでしょうか。

私の想定としては、月々の収入が20~25万円ある、もしくはその程度の貯蓄を毎月崩しても不安を感じない層ということだと思っています。

厚生年金の平均受給額が14万円台なので、それにプラスアルファで企業年金や不動産収入、株式配当などが必要になってくることになります。

なぜこのような計算になったかというと、住居費とサービス費で10~15万円程度、それに生活費で10万円程度を見込んでいるからです。

年金だけで暮らそうと思っている世帯はまず対象にならず、それよりも余裕のある層になります。

さらに、首都圏の高齢者向け住宅はより高価格、高サービスのものがありますし、同じような金額のものもあるので、広さやサービス内容で地方ならではの差別化をしなくてはいけませんし、これよりも上の層であればアメリアやオーストラリア、この層であればタイやマレーシアのような国への海外移住という選択肢も十分ありえるので、アクティブさというのもある程度性質が限定された人たちがターゲットになります。

厚生年金の受給だけでアクティブな生活しようとすると、家賃とサービス費を含めて5万円程度で抑える必要があり、なかなか難しいのではないかと考えています。

生活者目線に立ったターゲットの設定が必要ということですね。

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生涯活躍のまちは始まる前からオワコンか
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以上のように考えると、ターゲットはかなり限られた層となってしまうように思えます。

となると、この層を広げる仕組みを作るしかありません。

それが以前にも述べた移住者が働くことによって所得を増やす、支出を減らすという方法ですね。

元気なうちはサービスがいらないのであれば、それに見合った活動をしてもらうことでサービス費を減免する。

もしくは、それに見合った対価を支払う。

仕事を紹介したり、起業を促して収入を得る手段を持つ。

このような仕組みをつくることが生涯活躍のまち事業が実現していくキーになると思います。