大学と地域の関わりの新たな一面が見られそうです

生涯活躍のまちに取り組んでいる中で、大学連携型CCRCというのは大きな柱の一つです。

かつて桜美林大学と高齢者向け住宅の取り組みである桜美林ガーデンヒルズは私がその企画に関わったもので、2017年4月にオープンして、今では9割以上の入居率になっています。

しかし、大学生と高齢者の交流については、私は懐疑的です。

そもそも多世代交流というのは言葉は美しいものの、お互いの言語が違う中で双方が気持ちよく過ごすのは難しいのではないかと考えるからです。

それでも交流を生むには、何かしらの仕掛けが必要になると思います。

今、山梨県都留市の生涯活躍のまち事業に関わらせていただいています。

都留市は公立の都留文科大学があり、人口約3万人のうち3千人が大学生という特徴的なまちです。

ここで生涯活躍のまち事業を進めるにあたって、気づいた点がいくつかあるので共有したいと思います。

一つは、市民が大学生慣れしているということです。

これまで、私がまちづくりで期待できる大学生の役割というのは、外からの目線、またしがらみがない第三者的な立場、若さを活かして教えを請える強さの3点だと思っていました。

外から目線というのは、大学生はその多くが大学がある地域外のところから通ったり、転居をしてきているため、他との違いが目につきやすく、その視点があるということです。

同世代の人たちが少ないまちにとっては、その世代をとどまらせるための意見を聞くことができます。

2つめのしがらみがない第三者的な立場というのは、言葉通りですが、誰かの家族だったり、誰かの友人だったりすると、利害関係が発生して話しにくいことも、学生だと利害が関係ないため、話がしやすいという点があります。

3つめの教えを請える強さというのは、学んでいる学生という身分ということもあり、地域の人たちも教えようという立場で接してくれる人も多いのと、若いということから多少の失敗は仕方ないよねと許してもらえるという点があります。

このような認識を持っていたので、ワークショップのファシリテーション、特に商店街など地域の固定的な人たちの話し合いの場では抜群の効果を発揮すると考えています。

ただ、学生だからこそのデメリットもあります。

それは、4年で卒業し卒業後は地域外に転出すること、授業や単位のための活動である場合は学生によって温度差があることなどです。

特に、4年で卒業してしまうというのは、地域の人たちにとっても大きなことで、せっかく親しくなったのに、お互いを理解しあえるようになったのに、その後いなくなってしまうというのは大きな痛手です。

特にゼミ単位での関わりとなると1年で入れ替わってしまうため、学生に依存した取り組みだと継続が難しいものになってしまうと思います。

1年目が非常にうまくいっても、その翌年に同じようにうまくいくかの保証がないのが実際です。

冒頭で、都留市は市民が大学生慣れしているということを書きましたが、これは市民が大学生が4年で卒業することになれているというのが1点。

もう1点は、4年で卒業しても、深い付き合いをしていれば、その後も継続した関係性が続くと経験していることが挙げられます。

かつては大学周辺の民家に下宿しながら大学に通っていたという地域のため、4年間家族同然の生活をします。

そのため、卒業後もお世話になった家族の方々と交流が続いていると言います。

そのような深い関係が築けている経験があるので、大学生に対して寛容で、交流に積極的だという文化があるようです。

最近は地域に目を向ける大学が増えてきていますが、近隣住民にとっては、長い間うるさい、マナーを守らないなどの印象を持ってきた学生と交流をしましょうと言われてもあまり気が進まないのもあると思いますし、4年後には新しい学生との交流をすることになるので、そのたびにストレスを感じるというのもあると思います。

そのため、大学連携といっても、年1回もしくは数回のお祭りやイベントでの交流といったものがほとんどで、年間を通じて交流を行うというのは難しいのがほとんどではないでしょうか。

多世代交流は、このように頻度を少なくすることで、ストレスを少なくして実施というのが良い方法だと考えていました。

ただ、都留市に来てみて、この地域では新たな取り組みができるのではないかと感じています。

生涯活躍のまちだと、ここに移住者が加わってくるわけですが、学生×移住者×地域住民となることで、ストレスの少ない交流が実現できるため、より濃密な交流になるような気がします。