2017年にまちてんというまちづくりフォーラムを実施しました。
その時にご登壇いただいた方の一人が邑南町の寺本英仁さんでした。
その年ちょうどプロフェッショナルでスーパー公務員として放送されており、スター料理人を地方で誕生させる!!ということでお話いただきました。
その寺本さんが本を出されたということで読みました。
「ビレッジプライド 「0円起業」の町をつくった公務員の物語」という本です。
もともと仕事よりもスキューバダイビングに熱心だった寺本さんですが、勤めている自治体の合併担当になったのがきっかけで仕事にのめりこんでいきます。
もともと東京で外貨を稼ぐという考え方から、地元でしかできない食のまちをつくるという考えに事業に取り組みながらシフトしていきます。
最後の藻谷浩介さんとの対談がとても面白く、藻谷さんはそんな寺本さんのことを、自身と同じマーケットインのタイプだと言っています。
そして、だからこそ師となる人がいないという表現もしています。
この考え方が私にもとてもしっくりきました。
市場に応じて取り組みを合わせていくというのはビジネスをしていく上で基本だと思います。
また、一つ面白かったエピソードが、田舎に人がいないということは、自由競争に敗れて経済的に負けているからではないかという話がありました。
それに対して、藻谷さんは「コーラがたくさん飲まれているが、それが優れた商品にはならない」という答えをしていて、他にも「愛人が15人いる男と一人の奥さんとすごく仲良くやっている男のどちらが競争に勝った人なのか」ということも言われています。
勝ち負けを何を基準に考えるかという点でパラダイムシフトが求められていて、お金や数ではなく、質を重視する人を対象としてきているという話なのだと思います。
競争、勝ち負けではないという話にもなってくるのかもしれませんが、国際的な価値観だとまだまだ経済が力を握っているような気がするので、国単位だと考えるところも出てきますが、日本では確実にこの流れがきていますし、またこの流れは大きくなってくると思います。