SEGsという話が言われて、4~5年が経っています。
会社としては、2016年からSDGsの取り組みを行ってきたので、外務省のホームページにも掲載が始まった初期段階から掲載されていました。
掲載されたからといって、メリットは全くないのですが。
そして、最近では外務省のページに載っている団体もかなり多くなっていました。
なぜ、今更SDGsについて触れるかというと、それはSDGsの意味について改めて認識する必要があると感じたからです。
SDGsとは、Sustainable Development Goalsのことで、2030年までに達成する目標として国連が掲げたものです。
目標の数は17あります。
これを達成するために取り組みましょうということなんですね。
そして、多くの企業や団体がSDGsの取り組みとして行っているのが、自分たちが実施しているのはSDGsの17の目標のうちのここに当てはまるというPRです。
弊社もそうです(笑)
しかし、その多くは既存の取り組みをSDGsに当てはめただけに過ぎません。
もちろん、既存の取り組みですばらしい取り組みはたくさんありますし、その取り組みを否定する意図は全くありません。
私が言いたいのは、それぞれSDGsの実現に向けて取り組むのは良いけど、自分の取り組みがどの程度SDGs達成のために貢献するか理解しているのかということです。
たとえば、弊社が取り組む生涯活躍のまち事業は目標11「住み続けられるまちづくりを」に該当します。
それは、
ターゲット11.2「2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮 し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。」と
ターゲット11.7「2030年までに、女性、子供、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。」に当てはまるからです。
しかし、弊社が2030年までにどの程度貢献するかまでを述べないと2030年にこの目標がどこまで達成できるようになるか予想もできません。
つまり、弊社は2030年までに生涯活躍のまちを実施する高齢者向けの拠点を1,000か所つくるとしたら、1拠点50人として50人×1,000か所=50,000人へしか目標達成に向けて貢献ができないわけです。
外務省で掲載されている企業のホームページのほとんどは今の弊社と同じ、既存の取り組みでSDGsのどこに該当しているかということが記載されているだけでした。
有名な企業のページはすべて見ました。
そして、結果として、1つの企業も2030年に達成する自社の目標を設定していませんでした。
もちろん、弊社も含めてです(笑
最近は、行政でさえもKPIということで、数値目標が求められているのに、数値目標が得意な企業が全く定めていないということで、熱が入っていないことが十分に伝わってきます。
数値目標を入れないと日本全体でどの程度達成されるのか、貢献できるのかという予想ができないので、国としても困るのではないでしょうか。
企業側がボトムアップで数値目標をあげて、国の方でその数値だとどの程度貢献できるかというのを判定できるような形になっていると面白いなと思います。
欧米とアジアとの事業の進め方
こんなことを考えたのも、SDGsがヨーロッパの方が取り組みとしては進んでいるという話を聞いたからです。
ヨーロッパでは環境問題などへの意識も高く、同じ目標に向かって一丸となって取り組んでいくという体制がしっかりとできているということがあるのかもしれませんが、地球規模での方向性についての意識がとても高いと思います。
聞いた話では、欧米とアジアでは仕事の進め方が異なるようです。
欧米だと目標を設定して、そこから逆算で取り組むことを考えるのに対し、アジアは進めながら考えるという形のようです。
ここにSDGsに対する取り組みの状況が表れているのかなと思っていまして、2030年の目標はあっても、そこから逆算するのではなく、全力を尽くしてみて、達成出来たら良かったと考えるアジア。
2030年の目標があるのだから、そこから逆算していつまでにどこまで達成しておかないといけないと考えるヨーロッパといった感じでしょうか。
日本も2030年に目標を達成したいと考えてはいると思うのですが、逆算して考えようとすると達成できない目標設定をしてしまいそうなのでやらないといった感じなのだと思います。
最近はビッグマウスのスポーツ選手なども出てきましたがグローバルにみるとまだまだ日本は控えめで、日本企業もご多分に漏れずといった感じなのでしょうね。
本音としては、達成しても何もないもののために目標設定をして、進捗確認を行っていく手間をかけたくないというところなのかもしれません。
この点を解決するための政策的な誘導が求められるところでしょうね。