かつて、日中友好協会は中国への贖罪意識の高い人たちの集まりでした。
かなり過激なこともあったようで、今でも色がついているとみられることもあるようです。
ただ、私の世代になってくると、そのような考えを汲んでいるというよりも、留学に行ったり、第二外国語で中国語を学んだりしていて、何かしら中国と関わりたいという人が入っているという人がすべてです。
そのため、世代間に考え方の大きなギャップがありますし、そのギャップを乗り越える取り込みをしてきて、それを乗り越えられたというのはとても大きな組織の変化だと思います。
そのような変化があった中でも、中国側からの日中友好協会への信頼感は変わらず、他の日中友好団体に比べて格段の差があると感じています。
というのも、中国側にとっては、さまざまな考え方の日本人がいるということはわかってはいるものの、その全員と接することはできません。
そうなると、どこかに絞って接することになるのですが、そうなると信頼のおける組織を通してということになります。
もちろん、特定の組織なので、偏った考えを持っている人が集まっているという恐れがあるわけですが、日中友好協会については先に述べたようなことから、かなり幅広な考えを持っている人が集まっていて、かつ若い人も増えてきました。
普通の日本人の声を聞くことができる組織として、中国側としても価値のある組織になっているのだと思います。
逆にいうと、日本の一般人の声を中国側に伝える役割を果たせるということにもなっていて、まさしく民間外交なのだと思います。
もちろん、情報の受け手はその考えが偏ったものではないか、根拠を探すと思いますし、たくさんの情報源の一つという認識に過ぎないとも思います。
それでもその一つに入るか入らないかというのはとてつもなく大きいことで、それに一般人が関われるというのはかなり貴重なことなのではないでしょうか。
入った時には全く意識しなかったことですが、組織としての役割の変遷、組織内の所属する人々の変遷というのを客観的に見てみると、それはそれで面白いものです。