生涯活躍のまち事業は国が主導で進めている事業です。
その目的は最終的には国民の生活の向上という部分になってくるのだと思いますが、実際に生涯活躍のまちで、特に対象となる移住希望者にとって得られる価値はなにかというのを考えておくのはとても重要なことだと思います。
というのも、生涯活躍のまち事業は民間が主体となってビジネスとして行うことが目指されており、ビジネスとして行うからには、価値とその対価としてのお金が釣り合わないといけないからです。
国や自治体としては国全体、もしくはその地域が良くなれば問題ないと思いますが、事業を行う立場としては、利用者の満足度が向上しなくては継続できません。
私が考える生涯活躍のまちの価値というのは以下の4点だと思います。
1.地方生活
首都圏での生活やそのリズムにとらわれない、地方独特の豊かな生活ができることです。
これは地方での暮らしの魅力であって、正確にいうと生涯活躍のまちの前提となる価値ですね。
2.最期まで暮らせる
シニアの人たちにとって、介護が必要になった時というのは心配の一つです。
生涯活躍のまちでは、それを取り除き、介護が必要になっても自主性を尊重した生活ができることを実現しようとしています。
3.コミュニティになじみやすい
地方は独特の文化があって、外の人はなじみにくいというのが心配の一つです。
これを取り除いて、地域とともに地域を担っていくというのを自治体も含めて取り組んでいるの部分が生涯活躍のまちの強みですね。
4.活躍できる場がある
仕事、趣味、地域活動、農業など、それぞれがやりたいことがあると思いますが、それをできる場があるというのも大きいです。
私自身が感じていることですが、暇というのは最も恐れるべきことで、何かしらやることがあるというのはとても幸せなことだと思います。
たとえそれがやらなくてはいけないことであっても、自分が望んで取り組むのであれば苦になりません。
むしろ、充実した生活を構成する一部となるのではないでしょうか。
以上述べてきたような価値が生涯活躍のまちには含まれているのですが、どこを重視するかは人それぞれです。
さらに言うと、移住希望者は生涯活躍のまちに魅力を感じているのではなく、それを構成する価値に魅力を感じているわけです。
そのため、生涯活躍のまちという言葉の普及はそれほど問題ではなく、定年後に移住しても安心して暮らせる場所づくりが全国各地で行われているという認識が広まることが大切なのだと思います。