いろいろな自治体と仕事をする中で、気づいたことがあります。
それは、地方の自治体にとっては、国からのお金を持ってくることが優秀な職員だと評価される軸の一つになっていることです。
もちろん、お金は大切で、国からのお金であれば地域の負担が限りなくゼロに近いので、地域にお金を落とすという点では重要なことだと思います。
そして、自らビジネスを創出することが苦手な行政としては、民間を助ける手法として国のお金を持ってくるというのは正しい仕事なのだと思います。
国自体が熱心な地域にはそれだけのお金をという意向なので、当たり前なのかもしれませんが、少し違和感を覚えています。
もともと地方交付税の不交付団体の職員だったということもあり、国に頼るという意識がないからかもしれません。
税収が豊かな地域だから困っている自治体の立場がわからないのだということかもしれません。
しかし、国からのお金を持ってくるのがうまい自治体があって、それがずっと続いているとしたら、その地域はどうなるでしょうか。
行政がお金を持ってくるので、公共設備は充実していて、住民は困ることはありません。
おそらく人も増えていくと思います。
しかし、増えてくる人というのは、手厚い行政の補助を当てにしているので、税収の増加にはつながりにくいと思います。
そうなると、行政はより多くのお金を持ってくる必要が出て、といった繰り返しになるのではないでしょうか。
国からのお金を活用するというのは必要なスキルですが、使い方を間違えると住民の自主性をそぐことになりかねないのではないかと思っています。
地域のやる気を引き出す形で支援する、その体制をいかにつくるかを考えながら取り組むことが大切なのではないでしょうか。