新型コロナウイルスの影響で海外への渡航ができなくなって3年になろうとしています。
そんな今年は日中国交正常化50周年の年です。
私も含めて多くの人が国交正常化当時のことを知らなくなっていますが、当時を支えた人たちというのはまだご存命な人もいます。
当時20歳だった人は70歳になっているという状況なので、中核を担った人たちはさらに高齢ということになります。
そんな当時を知らない世代が増える中で、この50年で日本の中国に対する関心も変化が見えていますので、そのあたりの部分をお伝えできればと思います。
大きな変化としては、関心が政治・経済、歴史から現代文化へと変化してきているということです。
これまで中国に対して関心のある人というのは、経済的な発展や三国志などの歴史、パンダといったものでした。
未だにこのあたりの人気は高いのが現状ですが、最近の若い世代のトレンドは変わってきています。
それは、中国の現代文化に関心が出てきているということです。
たとえば、チャーボーグと言われる中国風の化粧について。
中国の歴史などには関心はなくても、中国ではやっている化粧の仕方を真似してみるといったことが普通に行われています。
また、韓流ブームのように中国ドラマの波も来ています。
中国版の大奥のような宮廷ものの人気が高いようです。
私もかつてこちらで記事にしましたが、ここに掲載されているドラマはかなり有名です。
中国のアイドルグループについても人気が出ているようで、グッズの販売などが日本で実施され始めています。
これまでは日本のアニメが輸出され、中国でドラえもん、ちびまる子ちゃん、コナンといったものが見られていたため、20代、30代の認知度は非常に高いものとなっていました。
それが今後は中国からの作品が日本に来て、認知度が高まるといったことが増えてくるかもしれません。
中国とのGDPが日本の約3倍になっている現在、投資額では中国との差が大きく広がってきています。
中国がソフトパワーに力を入れてきて、それなりの年月が経ってきていますが、それがそろそろ効果が出てきているのかと思います。
今後、価値観といった点では中国と日本はより似てくるのかもしれません。
今でも、仕事や家庭の面では似ている部分もありますが、仕事の進め方は全く違いますし、家族観についても大きく異る部分があります。
たとえば、仕事は日本では計画を先にしっかりたてますが、中国では計画は立てず、まず取り組むといった形です。
家族の中で、親の意向を尊重する、親を大切にするといった考え方が中国はかなり強いです。
中国では大学生になっても毎日親に電話をしているのが普通です。
そのあたりはドラマを見ていても共感ができないところになってくるのかもしれませんが、中国文化が流入してくるに従って、そういった価値観の部分もいつの間にか共有していくことになるのかもしれません。
現状で、その違いというのを認識しておくことは大切だと思っておりまして、それを意識した上で今後の変化を楽しんでいくことができればと思います。