公務員の仕事は楽だといいます。
よく言われるのが、定時で終わって、残業がないこと。
ノルマがなく、プレッシャーが少ないことが言われます。
これは確かにそうだと思います。
最近は、民間を見習うということで、仕事の質の向上ということが言われていますが、公務員の場合は民間のように資格の取得を促されるような勉強の強制はありません。
実際、勤務時間外を仕事のための勉強に充てている人はかなり少ないのではないかと思います。
少なくとも私は公務員退職後の方が勉強時間は多くなっています。
もちろん、意識の高い公務員の人は勉強をしていますが、民間とは違って逆に資格取得による給与手当などもないので、モチベーションの維持が難しいというのも一つの違いです。
ただ、一方でこれは一部分しか見ていないことだとも感じています。
公務員がこのようなスタイルになっている根拠は身分保障にあります。
公務員はストライキが認められない一方で、身分保障がきわめてしっかりしています。
給料は一定額を保証されますし、懲戒解雇を受けることも非常に稀です。
この身分保障がしっかりしている理由は何かというと、私は公平性を担保するためということが根拠になると思っています。
たとえば、賄賂をくれる人に対して、しっかり接客をして、そうでない人にはおざなりに対応するという職員がいたら困りますよね。
しかし、民間ではそれが当たり前に行われています。
民間は良いお客様を特別待遇することで、リピートしてもらい、収益をあげるという構造になっています。
公務員の場合は、良いお客様であろうと、そうでない人であろうと一律に対応をして、公平に扱うということが基本になっています。
民間であれば税金を多く払う人により手厚いサービスをするところですが、行政の場合はみんな一人一票の有権者なので、対応に扱うんですね。
このようなことは、そのほかの場合にも当てはまります。
たとえば、仕事がなくても税金をもらっている人間としてふるまう必要があるんですね。
人間であれば、急いでいて、車通りのない信号であれば、赤信号でもわたってしまうこともあると思います。
しかし、それを市民の人に見られると注意されるわけです。
一般人に対しては注意をしなくても、公務員は税金をもらっている人だからという理由で注意されるんですね。
細かいところかもしれませんが、このような細かい部分を注意しているのが公務員で、こういった窮屈さがあるのが特徴です。
たとえば、居酒屋で仕事で接客した市民の人のことを言っていたとします。
個人名を出していなくても、税金をもらっている身でお客様の文句を言うとは何事だという批判もなくはないのです。
民間と公務員の違いというと、民間の場合は勤務時間中は大変かもしれませんが、オフの時間は仕事人としての態度をとる必要はありません。
一方で、公務員の場合は勤務時間中は民間ほどハードではないかもしれませんが、勤務時間外でも公務員として見られているというプレッシャーがあるという違いはあると思います。
勤務時間中はあまりプレッシャーを受けずに仕事をしたいのか、それとも勤務時間外にすっきりしたいのかというので公務員か民間かを選ぶというのも面白いかもしれません。