行政

これからの自治体組織のあり方は人口1000人程度の自治体がモデルになる

行政の財政が厳しくなって、人材も不足してるといった状況になっています。

この状況は、これから数十年は変化がないと思います。

そのため、行政ができることはどんどん少なくなり、効率化が求められてきます。

そういった時に、自治体組織はどうなるのか。

私はその未来は人口が少ない自治体がモデルになると考えています。

人口が少ない自治体は、1人が複数分野の担当を担っています。

たとえば、多くの自治体では企画課、財政課と分かれていると思いますが、それが一緒になっていて、企画担当者が財政部門も担当しているといった形です。

福祉についても、子育て、健康、障がい、高齢者などと分かれず、そのうちの複数を担当といった形の状態です。

これまでは人口が増えることで、財政も豊かになったため、より良いサービスを提供しようとサービス内容が細分化し、専門化が進んできました。

それによって、サービス単体の質は向上しましたが、縦割りが進んだという弊害もありました。

これからは、それが逆方向に進むということですね。

そういう観点から言うと、平成の大合併はそれを発生させないために、規模を大きくして、専門的なサービスを維持しようというものだったのだと思いますが、合併をしなかった自治体はすでにこの状況に適応していたということかと思います。

これからは、すべての地域で人口が減少しますので、すべての自治体がそういった方向に進むことになると思います。

しかし、これまで1分野しか担当していなかったのに、複数分野を担当するとなると、同じ人数の職員では対応しきれません。

IT化して効率化するにしても限界がありますし、初期投資がかかるので予算の制限のある中で実現ができるかもわかりません。

では、どうするか。

そのためには、サービスを制限するしかなくなってくると思います。

サービスの質を下げるか、サービスの対象者を減らすということですね。

おそらく2つの方向で同時に進んでいくことになると思いますが、サービスの提供レベルを見える化しておくと、どの程度変化があったのかはわかりやすいのではないかと思いました。

それをする意味がどの程度あるのかはわかりませんが、昔はああだったのにと嘆く人に対しては効果がある気がします。

サービスの提供レベルの見える化というのは、いろいろ検討すべき点が多いのですぐに決めるのは難しそうですね。

ちょっと後ろ向きな話かもしれませんが、私はこれはとても良いことだと思っています。

それは、公務員一人ひとりの裁量が大きくなるからです。

これまでは複数人で担当していたものが1人で担当するとなると、できることは増えますし、その人の頑張りで見える効果というのもより明確になります。

逆に言うと、一人ひとりの職員の力量でサービスに差が出るということにはなりますが、やる気のある職員が多ければ、それが目に見えた形で現れるというのが小さい自治体の魅力であり、これからのすべての自治体で期待できることかと思います。

これから入庁する人にとっては、過去と比べることができないので実感はできないかもしれません。

しかし、私自身公務員だった時、自身の裁量の大きさに気づき、とてもすごいことだと思いましたし、それがやりがいにつながっていました。

これからの時代はそれをもっと実感できる機会が増えるのではないかと思うととても良い時代になったなと思いますし、そういう点では小さい自治体へ就職したほうが活躍の場が大きいので面白いのかもしれません。

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