民間という身分になって感じるのが、比較できる環境のある強みです。
1つの自治体、地域にとらわれないので、いろいろな視点から見ることができますし、情報量が多いので、比較してみることができます。
もちろん、自治体職員だからといって、得られる情報が少ないかというと必ずしもそうではないかもしれませんが、1つの業界について幅広く知るという点では、異動がない民間は強いです。
また、いろいろな地域の事業に取り組めるので、同じ事例を複数経験することができます。
関連する事業を行うこともできるので、専門分野に強くなるといった点があると思います。
地域を選ぶときには比較が大切
移住の取り組みを見ていて、どこも空気がおいしい、水がおいしい、自然が豊かということは言われます。
そのため、それプラスアルファがないと移住する側としては選びようがないという状態です。
全国すべての自治体に行って比較をできれば良いのかもしれませんが、時間は有限なので、一定期間の間に調べてみて、その範囲内で移住先を決めるといった形になっています。
この時に接した地域の人たちが移住を決める大きなポイントになっているのは言うまでもありません。
一方で、各自治体の取り組みは、まだまだ自分の自治体のPRに留まるため、良いことは伝わるのですが、比較ができません。
移住先を探す人は基準がないので、他の地域と比較されないとどの程度良いのかがわからないんですね。
もちろん、日本一といったわかりやすいPRポイントがあれば問題ありませんが、そうでない自治体が9割です。
そういった自治体は同じ道府県内の比較、近隣自治体との比較をすることで、魅力が伝わりやすくする工夫が必要かと思います。
同じ県内の自治体の移住補助金の有無、待機児童の有無、医療費の無償化の有無、保育園の無償化の有無だけでも大きな助けになると思います。
こういった制度は自分の自治体ではありますよとアピールはするのですが、他の地域とと比べることができないと他の地方都市でもやっているだろうと思われてしまって魅力が伝わらず終わってしまう可能性があります。
ここの部分は行政ではやりにくいところです。
というのも、他の自治体の不足する部分を明らかにすることになりますし、他の自治体職員も忙しい中で自分の自治体のために協力してもらうのはどうかといった思いが出てくるからです。
この部分ができてくると、移住業界も一歩前進かもしれません。