まちづくり

組織はなぜ若返らないのか。集めたい層がやりたいことをやる組織が生き残る

高齢化というのは、社会の課題です。

一方で、高齢化によって、高齢者が社会の多数を占めて、社会の中心になっているのも事実です。

ただ、社会の担い手、労働力という観点で考えると若い人の方が生産性が高いのも事実で、結果として若者の奪い合い、労働力の争奪戦が起こっています。

この状態は最近目に見えるようになってきましたが、まだまだ今後も激しくなると思います。

このままいくと、若者を惹きつける地域、組織とそうでない地域、組織に分かれてくるわけですが、その要因とは何でしょうか。

なぜ、組織は若返らないのか

私はそれが世代間による意識の差にあると考えています。

年配の人たちも高齢者だけではいけないとわかっています。

そのため、組織の若返りを図りたいということを切に望んでいます。

しかし、若返らない。

それはなぜか。

それは、若返りを目的としておらず、若い人を使って自分たちのやりたいことに活かしたい、自分たちの好きな組織を存続させたいという目的になっているからです。

若い人たちは、自分たちの好きなことをやりたいに決まっています。

そこに、年寄りがやりたいことがあるから、それをやれと言われてもやる気はしません。

お金をもらってやるのであればまだ耐えられるかもしれませんが、同じ金額で自分の好きなことができるのであれば、そちらを選ぶというのが当然ですし、少し低い金額でも自分の好きなことを優先するというのが今の時代です。

ボランティア活動であればなおさらです。

私たちの理念に賛同してください、というまでは良いのですが、賛同した結果、このような活動をしなさいと強制してしまうと続きません。

ではどうしたら良いかというと、賛同した結果、自分たちが理念を実現できると思える活動をするように自由に活動したら良いと任せることができる組織が残る組織です。

自分の理想を実現したい高齢者と自分の好きなことをしたい若者。

この間のミスマッチに気づいたとき、変わるべきものは若者でしょうか、それとも高齢者でしょうか。

年配の方々からすれば、たとえ理念を実現しようという考えの下であっても、若者に好き勝手されては今まで自分たちが築いてきたものが失われてしまうのではないかという思いがあるかもしれません。

これまでの伝統を守り、大切にしていきたいという思いもあるかもしれません。

ただ、若者目線で見ると、その伝統というのは時代に合わなくなっていて、若い世代の考える形に調整することで、伝統の外観は変わるものの、内面の理念はしっかり残るということになるのではないかと思います。

それでも変えることはできないという決断に至るのであれば、おそらく組織は衰退していくことになってしまうと思います。

なぜ、若者流を許すことができないのか

では、なぜ、このような状態になるのでしょうか。

一つは、年配の人は管理職経験者が多いので、自分がやりたいことのために人を使うことに慣れているからというのが考えられます。

もちろん、部下をうまくマネジメントする人もいるでしょうが、まちづくりやボランティアのように金銭が発生しない取り組みについては、かなりのスキルが必要になりますし、人事異動のように気に入らない人を変えることもできません。

もう一つは、自分が若者に混じって一緒に主役になろうとするパターンです。

年齢は違っても、同じ立場で意見を言い合い、一緒に取り組みをしていくというのは一見美しく思えます。

しかし、年齢が違う時点で根本的な考え方はかなり異なりますし、年下から見ると年上の人を尊重するというのは文化として残っているものなので、なかなか対等にはなれません。

そうなると、年上から見ると年下を尊重しながらうまく進めているつもりでも、年下から見るとストレスの塊ということが出てきます。

そして、結局若い人がやりたいことができないという状況になってしまいます。

ボランティア組織のマネジメントは放任が9割

若い人との付き合い方としては、基本的には自由に任せる、超えてはいけない一線だけは確認するという放任9割というのが適切なあり方ではないかと思います。

残りの1割というのは、そのうち半分は超えてはいけない一線のチェックで、もう半分は、若い人から頼まれたときに、自身に人脈や過去の経験を生かして協力するということになります。

この「若い人から頼まれたとき」というのがポイントです。

もちろん経験があり、視野も広い年配の人たちとしては、こうすればもっと良くなるのにという思いもあると思います。

もっと早く若返りをしなくてはという危機感や焦りもあるかもしれません。

しかし、それをしてしまうと、若い世代にとっては学びの場が失われることになりますし、失敗を繰り返しながらも自分たちの力で取り組んでいるというのが満足度を高めることにもなるのではないでしょか。

もしかしたら、年配の人が考えている方法の方が効果的かもしれません。

しかし、そこで自分のやり方が正しいからと押し付けてしまっては与えられた食べ物を食べているだけで、料理の楽しさを学ぶことはできません。

多少味は劣っても、自分で作った料理はおいしく感じるということもあるのではないでしょうか。

特に、地域の活性化方法など、正解のない、もしくは正解が複数ある取り組みについては、これが正しいということは一概に言えません。

それであれば若者の主体性が引き出せる方を選ぶ方が未来があるのではないでしょうか。

このような方法は、年配の人にとってはかなりのストレスだと思います。

なぜ、自分たちがやりたいことをやれないのに、ストレスまで抱えなくてはいけないのかと思うこともあるかもしれません。

私は、ここにクールな高齢者像というのを見ています。

自分の道を譲って若者が活躍できる環境を整える。

自身はすでに十分輝いていた時代はあったので、今後は人を育てることに尽力する。

人生100年時代ということで、生涯現役というのももちろん一つの選択肢ですが、セカンドライフとしての人材育成というのも新たな道として面白いのではないでしょうか。

今後のセカンドライフの過ごし方として、生涯現役はビジネスへ、人材育成は地域活動やボランティア活動へというものになっていくのではないかと考えています。

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