生涯活躍のまち(日本版CCRC)とは何か。
2015年12月11日に日本版CCRC構想有識者会議によって提出された「生涯活躍のまち」構想最終報告によると、、「東京圏をはじめとする地域の高齢者が、希望に応じ地方や「まちなか」に移り住み、地域住民や多世代と交流しながら健康でアクティブな生活を送り、必要に応じて医療・介護を受けることができるような地域づくり」を目指すものとされています。
取り組む目的としては、①高齢者の希望の実現、②地方へのひとの流れの推進、③東京圏の高齢化問題への対応の3点で、取り組みが始まって、すでに3年が経過しています。
内閣府のまち・ひと・しごと創生本部では以下のような形をイメージとしています。
平成30年11月の時点で21の自治体が生涯活躍のまちの地域再生計画を策定しており、そのうちの4自治体は形成事業計画まで策定しています。
このような計画が必要なのは、この事業が地域再生法に基づいたものだからで、地域再生法の中には、事業を推進するための地域再生推進法人の指定ができ、そのために形成事業計画が必要という形になります。
自治体としての仕事は、事業の担い手を探すことがメインです。
財政難に苦しむ中で、自ら運営をしていこうという自治体は皆無ではないかと思います。
まちづくり会社をつくって、その一部に自治体が出資という形は見られ、このような形が多くなるのではないでしょうか。
行政、民間ともに初めての取り組みで、まだ先行の事例もほとんどないため、走りながら方法を考えている状況で、これだという正解は見つかっていません。
行政側の姿勢、民間事業者の意向を聞きながら、それぞれの地域に応じて判断する形になると思います。
取り組みとしては、主に以下の3点が必要になります。
1つは、移住者募集。
移住をしたいという人がいなければ、事業として行う意味がありませんので、それが最優先です。
2つ目は、地域の移住者受け入れ体制づくり。
移住者を地域で受け入れる体制がなければ移住しても長続きしません。
3つ目は、担い手、事業者募集です。
自治体が直営で行うにしても、事業者が行うにしても、移住したいと思える場所を整え、またずっと住み続けらえる環境を整備するということはかなりの投資が必要になります。
それだけの投資ができる体力がある会社、また新規事業に取り組もうとする意欲のある会社であることが求められます。
これらいずれか一つでもつまづいてしまうと事業としてうまくいかないため、実施する側としてはそれなりのリスクテイクが求められます。
そういった時に、どのように事業者を募集するのか。
これが一番の課題となると思うので、それについて次回述べたいと思います。