コミュニティづくりというのは、人と人をつなぐことで、そのつなぎ手は人になります。
そして、人と人の関係があるところには、必ず情が関わってきます。
しかし、ビジネスというのは、一般化して、誰が担っても同じことができる仕組みをつくることです。
そのため、ある特定の人でないとできないという状態は避けなくてはいけません。
そう考えると、コミュニティづくりというのはビジネスに向いていないのではないかなと思ったりもします。
もし、ビジネスとして取り組むのであれば、あらかじめ期間を決めて、その期間が終わったら離れるというstudio-L的なやり方は良いのかもしれません。
ただ、もっと厳密にいうと、その期間中に人が変わっても同じように事業を進めることができるようにするのがビジネスというのかもしれません。
そんなときに、マザーハウスの山口絵理子さんのサードウェイという本を読みました。
途上国にブランドを作るという思いのもと、事業展開をしているのですが、社長の筆者は人間関係では必ず悩むので、コトに向き合おうということを言っています。
最終的に強く結束するにはコトが大切で、コトに向かって一つになるのだということです。
確かに同じ思いを持った人であれば、誰が取り組んでも同じ方向に行くかもしれません。
正しいことを言っているなと思います。
ただ、実際に関わる側の立場になってみると、それまで長く関わってきた人たちとの関係がなくなるのは寂しさもありますし、築き上げてきたものがゼロスタートになるのも残念だなと思ったりもするかなと。
公務員は異動がつきもので、いろいろな部署になります。
そのたびに別れがあり、学童の時は毎年の別れがつらすぎて、これは長く続けられないなと思ったりもしました。
しかし、異動をすることで得られるものも多く、そういった点では、自分の関わる間に全力を尽くして、異動があったとしても悔いのないようにしておくだけの話かもしれません。
もちろん、それを引き継いだ人に迷惑をかけるようなことがあってはいけないと思いますが、引き継ぐ側も前任者の業績というプレッシャーを感じながら取り組んでいく必要もありますね。
担当している本人が思う道半ばと外から見える道半ばは違うということも重要なポイントかもしれません。