米中もし戦わばという本を読みました。
米中貿易摩擦とは関係なく、アメリカから見た中国を知りたいと思って読んだものですが、軍事・防衛の観点から勉強になる点が多いものでした。
というのも、日本では軍事・防衛について教育上学ぶことはほとんどない、むしろ軍という言葉を避けているようなところがあるように感じておりまして、しっかりと学ぼうとしないと学べない分野だと感じています。
中国留学中に気づいたことですが、中国では軍についてのテレビ番組も普通に流れていて、国民の生活に軍が近いんだなと感じたところです。
以前日本の政治家が鄧小平に対して、このままでは日本が軍隊を持つようになってしまうということを言った際に、鄧小平が国が防衛を考える上で軍を持とうとするのは当然というような答えをしたというのを聞いたことがありますが、グローバルでみるとそういうものなのかもしれません。
この本の話に戻ると、私が特に感じたのは、軍備に対してというよりも戦争が起こるときの流れというものについてです。
ここで述べられているのは、歴史的に新興国が出てきたときに戦争が起きやすいということでした。
例としては、第1次世界大戦の時のドイツが挙げられていました。
第2次世界大戦の際の日本も該当します。
直感的に既存の秩序を治める側と新たな秩序を築こうとする側では対立するのは当然だとも感じます。
今は中国が新たな秩序を築こうという側になっているわけですが、同じような道を歩むことはあるのでしょうか。
日本としてできることといえば、過去の教訓から日本と同じような立場を歩むのは良くないと諭すでしょうか。
中国としても侵略される側の気持ちがわかると思うので、そういった点では響きやすいとも思います。
そもそも、核保有国同士なので、戦争をしてしまったら終わるというリスクがあるため、そういった点でも違うかもしれません。
アメリカにとっての日本は完全に防衛ラインととらえられているので、中国と戦争をした際には確実に巻き込まれることになると思います。
国があることによって私たちの今の状況も保たれているわけですが、国がなくなったらどうなるのでしょうか。
戦争というのは、国同士で戦っているものなので、国がなくなるとなくなるのかもしれません。
戦争の根幹は民族的なものだったり、考え方の違いだったりするので国は関係ないのかもしれませんが、国というわかりやすい線引きがあることで発生することもあるのではないかと思います。
国という主権が世界に多数あるのが問題の根幹で、地球という一国で、あとは個人という対等な立場になることでどうにかならないのでしょうか。
行政区としては、日本の都道府県や市町村のようなものは国単位でわかれると思いますが、1国の中では争いがないように、1つの国という意識さえ持つことができれば争いがなくなるような気がします。
1つの国という意識を持つことがかなりハードルが高いと言えばそれまでですが、目指すべきところはそこかなと。