日本版CCRCとして取り上げられるスマートコミュニティ稲毛の視察をしてきました。
といっても、住宅部分の見学はなく、イトーヨーカドーの撤退後の店舗を改修して活用しているクラブハウス棟部分のみの視察です。
感想を一言でいうと、スケールメリットを利用した高齢者専用のコミュニティといったところでしょうか。
食事にしろ、クラブハウス内の娯楽施設にしろ、常時750世帯というシニアが生活しているという規模を最大限に活用して低価格で充実したものにしようと取り組んでいます。
順次拡大していくという形式はとっているものの、初期投資はそれなりにかかることに加えて、新聞広告を月に3回出すなどの広告面でのコストもしっかり出せています。
賃貸ではなく、分譲にしているというのも一つのポイントで、入居者にとっては資産ととらえられる一方で、運営側としては初期段階での投資回収が容易にできます。
送迎は駅までのみで、車を所有している人は約半数程度はいるようです。
要介護度3以上で在宅でのケアが難しくなった場合は高齢者向け施設へ転居した方がコストパフォーマンスが良いということで、介護が必要になったら施設に入れば良いと考える層にぴったりといった感じです。
自宅で暮らし続けたいという層が最も多いのは事実ですが、介護が必要になったら介護用施設に移るのは仕方がないという層がいるのも事実で、一種のピンホールマーケティングが当たっている事例だと思います。
地域とのつながりや多世代交流というのはなく、そのあたりは不要、もしくは自身で開拓が可能というのがこの層の結論なのだと思います。