まちづくりは人間関係が非常に重要だと考えています。
仕事での異動の影響が大きいように、地域で人が変わるということは地域に大きな影響を与えるからです。
地域に関わる時に大切なのは、その人であることだと思っています。
地域では一人ひとりの価値が非常に大切で、その地域に入った段階で替えの利かないオンリーワンの人材になります。
その替えが利くようにするために地域人材を育てることを目的としている取り組みもありますが、商売としてそのような事業に取り組むのでなければ、地域とともにずっと歩み続けることがその地域にも責任を果たすことになりますし、地域にとって最も良いことだと思っています。
しかし、仕事で地域に入る場合は誰もがその地域になじめるわけではありません。
一定の資質が求められることも事実です。
パターンとしてはいくつかあると思います。
経験数・知名度と地域への関わり方で分けられると思います。
一つは、経歴豊富で知名度の高い人が地域に関わる場合です。
この場合は、有名な人だったりすることもあるため、比較的どのような人からも受け入れられやすくなります。
そして、ある程度の事業を実現した際には地域の人がそれを担い、その人自身は去るということも多いようです。
その人が去った時点では自立した運営が可能となっているようです。
その全く正反対になるのが、経験、知名度はなく、プロジェクトにかかわる場合です。
その人の場合は、まずその人自身が地域の信頼を得る必要があります。
また、その取り組みが成功する信用性も低いため、仲間を集めるのにも時間がかかります。
このような人が成功するためには、その地域とともに一緒に生きていくことを示す必要があるのではないでしょうか。
地方はこれまで多くのコンサルティング会社を受け入れてきました。
地域で核となる人は数年では変わらないので、毎回同じ人がヒアリングを受けており、その人たちはまたコンサルかという思いでいます。
そして、これまでのコンサルティング会社は計画書をつくり、実行は自治体が行うという体制だったため、言いっぱなし、聞かれっぱなしで終わってきたというのが実情です。
さらに、ヒアリングを受ける側は自治体への協力というボランティアで実施するため、謝礼などは発生しません。
行政に飽き飽きした状態の地域の人たちに、今度は違うと思ってもらうにはこれまでとは違った取り組みが必要になりますし、それが地域で暮らし続けるということではないかと思います。
そうなると、一人でいろいろな作業を行う必要があるため、スペシャリストというよりはゼネラリストとしての広範な技能が求められると思います。
そのような点で企業として役割分担をして各専門性を活かすというのができにくいのが地域かもしれません。
地域に複数の人が暮らせる環境が一度にできれば地域内役割分担もできることになりますが、それには事業規模がそれなりの大きさとならないといけなくなるので、時間がかかると思います。
まちづくりは起業と同じようなもので、簡単には成立しないということになると思います。
そのため、既存の企業の誘致が行われているのだと思いますが、それはそれでその企業に地域に愛着を持ってもらったりする必要があるので、また別の課題が出てきます。
それについては機会があれば書きたいと思います。