まちづくり

地域に人材が定着しない2つの理由

自然環境や立地が魅力的だと人は集まります。

しかし、その人が地域で活動をするかというと、また別の話です。

そして、人が地域で活動をはじめて、かつそれが定着しないパターンは2つあると思いました。

地域ではいろいろな人材が活躍できる環境が必要です。

しかし、これから述べる理由によって、その人材が発掘できていなかったり、はじき出されてしまったりということがあるのではないでしょうか。

どうしたら地域に入れるかわからない

まず入り口の部分です。

まちづくりに関わりたいと思っている人は多いと思います。

ただ、その多くはこれがやりたいというよりは、地域に貢献したいという人だと思います。

そして、そういう人はどう一歩を踏み出せば良いかわからないんですね。

そうなると、とりあえず行政に行くということになると思うのですが、そこで紹介されるのは地域のボランティア活動といった感じで、特定のテーマを持っています。

もちろん、その中に響くテーマがある人は良いのですが、もともと具体的なテーマを持っている人は行政には行かず、直接団体に訪問します。

こういった漠然とまちづくりに関わりたいな層を受け入れる場所が地域にないというのが課題の地域が多いと思います。

地域活動支援の部署はありますが、何かをやりたいという漠然とした思いの人をサポートできる体制がないことが多い、というか対処の仕方がわからない人が多いかと思います。

というのも、行政はすでに始まった活動への支援はできますが、ゼロから何かをしようという相談は得意ではないからですね。

そこで意欲が継続する人はいろいろな民間の活動に顔を出してみて、自分のやりたいことが見つかるか、仲間を見つけて一緒に始めるかといった形になりますが、そこで終わってしまう人も多いと思います。

こういった場合の対策については、まず人の意欲は1ヶ月しか持たないと認識することです。

始めたいと思って1ヶ月が勝負です。

この間に出会いがなければ、その人材を引き込むことはできません。

大切なのは、その人のニーズの把握とそれに合った場の提供です。

そして、もしニーズにあった場が地域にない場合は一緒に作っていくような後押しですね。

紹介だけをする行政、自分の関心のある活動だけをする民間ではここまでのサポートはできません。

かといって、行政がそこまで広範囲にカバーはできないので、それを担える役割の人が必要ということになります。

手前味噌ですが、ホシノマチ団地とかまちのtoolboxの活動はそんなところを意識してスタッフがいる感じです。

活動を始めたが、成果が認められない

2つめのパターンは、活動を開始した人に対してです。

自分が課題だと思っていることで、かつ楽しいと思えることなので、小さい規模のものでも取り組みをスタートできる人ですね。

ある程度実績もできて、資金面や会場面などでもう少し充実したいなと思ったりもしている段階です。

そうすると、真っ先に相談に行くのが行政の補助ですが、行政はもともと該当する制度があれば力になりますが、ない場合は動くまで時間がかかってしまいます。

それで行政が動いてくれないと、せっかく地域のために頑張ってくれるのにと後ろ向きになってしまったりもします。

ただ、補助に対しては民間の地域支援の機関も多く、そういったところには該当するものも多いと思います。

このあたりの紹介ができれば一つハードルはクリアかなというところです。

しかし、次のハードルというものがあります。

それは、地域で認められないといったハードルです。

いろいろな活動をしているなということは認識されているのですが、一般の人はそれがどの程度すごいのかがわかりません。

もしかしたら日本最先端のことをやっているかもしれませんが、自分の日常生活の中でみかける活動なので、当たり前だと思っていますし、その分野のプロでもないので他と比較することもできず、気づかないという状態ですね。

そして、地域での活動が大きくなればなるほど地域への影響も大きくなりますが、必ずしも良い影響ばかりではありません。

たとえば、そこを訪れる人が増えればうるさいだったり、知らない人がたくさんいて怖いだったり、マナーが悪いだったりという部分も出てくるかと思います。

そういった地域の人達の負の評価が訪れる人への対応にも表れて評判を下げたり、運営する人たちのモチベーションを下げるといったことが起こります。

これへの対策は、地域外から評価される機会を作っていくことです。

メディアで取り上げられるということもありますし、何かの賞を受賞するということもあると思います。

こういった対外的なPRに取り組まないと地域で認められることはありません。

特に地域内の人にメリットがなる活動でない場合はこの傾向が強いと思います。

外の人が地域に来る経済効果のような間接的なメリットは地域の人たちは感じにくいので、地域の人たちへの対応をフォローするか、対外的な評価を高めるかをしないと認められずに終わると思います。

活動をしている人たちは往々にして自分の活動に関心はあっても、それを対外的にPRしようとはしません。

ここをサポートしてあげないと、あの人は変わっているとか、一部の人たちで集まってなにかしているといった地域の評判ばかり高まって、地域の人たちが新たに入りにくい環境になっていってしまいます。

 

活動のPRという点では私自身まだまだ課題を感じていますが、取り組んでいきたいなと考えている部分でもあります。

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