2024年12月24日、地方創生2.0が起動されました。
その中に
全世代・全員活躍型「生涯活躍のまち」の展開(日本版 CCRC)
ということで、日本版CCRCという言葉が入ったことに驚きを感じるとともに、改めてまちづくりには継続が大切だなと感じたところです。
地方創生2.0とは何か。
それについてわかりやすくご紹介するとともに、今後の方向性を明らかにしたいと思います。
地方創生の成果と反省
地方創生2.0はその前の地方創生を1.0として、その成果と反省からスタートしています。
成果としては、
好事例が生まれたこと。
反省点としては、
それが普遍化しなかったこと。
になります。
良い事例はできたけど、その地域で留まってしまって、他の地域へ波及することがなかったということですね。
その理由についても述べられていて、3つ挙げられています。
- 他の町といった「横」の関係を意識してこなかったため。
- 産官学金労言の関係者が自ら考え、行動を起こさなかったため。
- 客観的なデータの分析をしてこなかったため。
ということです。
1つ目については当然といえば当然かと思います。
国はその地域が生き残るための競争をあおっているので、協力しようという気持ちにはなかなかなれません。
良いものを他の地域に出さないという思いが発生するのは当然のことで、私自身もとても実感しています(笑
2つ目は、ニーズがない人に行動を起こせと言っても仕方がないというのに尽きます。
地域には、そもそも地方創生をしようというプレイヤーがいないという点があるのではないでしょうか。
既存の住民にやる気を出せ、行動を起こせと言っても難しく、余程の危機的状況に陥らない限り難しいと思います。
3点目は、RESASを活用してということが言われていますが、地方創生で取り組むにあたってはまだまだ定量的なデータが求められるレベルまで高まっていないという印象です。
というのも、地域の魅力というものが定性的に明らかになっていても、自治体自身が公平性や中立性の観点から魅力として絞り切ることができず、分散した発信になっているからです。
もちろん、データを活用することで見えてくるものもあると思いますが、目的を絞らないと、どうデータを使って良いのかわからないという状況ではないでしょうか。
以上が国が示している地方創生が進まなかった理由です。
そして、それを解決しようと思って動いているのが私たちです。
地方創生に取り組む中で、実績も残していて、ノウハウも確立しているのに、それが他の地域に展開できない。
残念です(笑
自らPRなどに動いていないというのが大きな要因だというのはわかっていますが、おそらく今後はこのあたりを国がサポートしてくれることになるのではないかと思っています。
1つの民間企業をサポートするというのは、公平性、中立性の観点からすると行政にとっては大きなリスクです。
ここをどう乗り越えていくのかというのは、とても楽しみなところです。
地方創生のためには、地域のプレイヤーが活躍する環境を作って、それを続けるだけなのですが、地域のプレイヤーをどう生み出せば良いのか。
どういった活動をすれば良いのかがわからず、動けていない地域が多いと思います。
悩んでいるのであれば、ぜひお声かけいただきたいと思います。
私たちはお金で動くのではありません。
想いで動きます。
そういえば、このことを国の方に言ったら、そういう言い方は控えた方が良いと言われました(笑
せっかく第2世代交付金があるのだから、それを活用してやりましょうというのが自治体としてもハードルが下がるみたいですね。
なぜ地方創生が必要か
話がそれてしまいましたが、次になぜ地方創生が必要かという点についても述べられています。
その理由は、
国民の価値観が多様化している中で、多様な地域・コミュニティの存在こそが、国民の多様な幸せを実現するから。
です。
簡単に言うと、いろいろな人がいるので、いろいろな地域で暮らせるようにする必要があるよねということかと思います。
そのために何が必要かということも述べられていて、
一人ひとりが自分の夢を目指し、「楽しい」と思える地方を、民の力を活かして、官民が連携して作り出していく必要がある。
と言われています。
「楽しい」という言葉が入ったことで、私たちが目指しているエンターテイメントとしてもまちづくりの要素が反映されてきたなということを感じています。
ただ、この楽しいをサービスを受けるという受動的な楽しさでとらえてしまうだけだと、これまでと変わらないと思います。
その理由は、サービスの量と質でその地域の価値が決まってしまうからです。
地方にはサービスがないので、楽しくないという事実から変わることができません。
では、どうするのか。
デジタルで日本全国どこでもできるようにというのは、これまでの戦い方と変わりません。
そのため、特定の地域にインパクトを与えることはできません。
国が目指しているのは、こういった平均値を上げることではないと思います。
では、どうするのか。
それには、サービスの受け手としての楽しさではなく、サービスの担い手としての楽しさを体験してもらうことだと思います。
例えば、映画館がないとします。
では、映画会を実施しようと考える。
映画を見るというサービスだけであれば、映画会を実施するとなると、手間もかかりますし、コストもかかります。
しかし、映画会という空間の楽しさやそれを実施する過程の楽しさに目を向けられると世界が変わるのではないでしょうか。
そして、これが地域にプレイヤーを作っていく第一歩になります。
こういった行動は、1つの目的を達成することだけを目指した人からすると、非合理的に見えます。
ただ、これからの時代を考えると、1つの目的を達成するために集中的に取り組むことも大切ですが、それによって派生する様々なことに対処できる力を身につけるというのも大切な気がします。
特定のサービスを消費する、生み出す人になりたいのか。
いろいろなサービスを生み出す、組み合わせて使える人になりたいのか。
そのあたりが関わってくる気がします。
共通しているのは、どちらも学び続けないといけないということですね。
どういう学びが自分にとって楽しいのかを明確にしておくことが大切かと思います。
地方創生が今後目指すもの
最後に、今後の取り組みについても述べられています。
人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じる。
ということです。
具体的には以下の4つが大きな部分として挙がっています。
- 一極集中をさらに進めるような政策の見直し
- 持てるポテンシャルがまだまだ眠っているそれぞれの地域の経済・社会、これらを支える人材の力を最大限に引き出す政策の強化
- 若者や女性にも選ばれる職場や暮らしを実現する政策の強化
- 都市と地方の新たな結びつき・人の往来を円滑化する政策の強化など
「など」となっているので、もちろん他にも追加されてくると思います。
ポイントとしては、やはりターゲッティングが若者、女性になったことでしょうか。
この2つの層に選べれるようになるのは簡単です。
教育と仕事があればクリアです。
しかし、それができないから困っているのが地方です。
どちらもない場合は、まずはリモートワークの女性、もしくは夫婦がターゲットですね。
これはホシノマチ団地の取り組みを横展開すれば十分かと思います。
教育については、私立の学校の誘致というものが出てきているので、それが効果的かと思います。
その際に気をつけたいのが学校と地域との関係性ですね。
私立の小学校に通う家庭は所得水準が高く、都心の視点で地域を見ます。
いろいろ気づく点も多いのですが、それを改善しようと地域で取り組みを始めるとあまりうまくいかないといった事例も出てきます。
そういう部分はホシノマチ不動産で対応をしています。
その後に地域での仕事づくりになっていくかと思いますが、そのあたりもホシノマチ団地で実績が出ていますが、移住者なしで考える場合は、まちのtoolboxですね。
どんな方向から来ても対応できる実績はあると思うので、あとはこれをどう横展開していくのかというところなのかと思っています。
この点は地方創生2.0の課題感と同様です。