行政

昆虫食業界を通して見た日本の経済がうまくいない仕組み

昆虫食業界というのは、この数年で発展してきました。

ムーンショットと言われる政府が関わる政策の中にも位置づけられて、大きく注目されてきました。

ただ、残念ながら今ひとつ伸びていません。

その理由は昆虫を食べるといったことに人々の抵抗があることもあるかもしれませんが、こういった業界に関わる人々のマインドセットにも問題があるのではないかと気づいたのが、遠くからかかわらせていただいた中で感じたことです。

私自身は、昆虫食を盛り上げたいという立場で関わっていて、一定程度認知もいただいているポジションかなと思いますが、仕事として取り組むつもりはなかったので、客観的に見ることができていたとも言えます。

今後、昆虫食業界はのびていくと思いますが、おそらくこういった仕組みは昆虫食業界以外にもあるのだろうと思ったことをシェアできればと思います。

まず、大原則として自由競争がないと業界は伸びないということです。

自由に商品開発ができて、自由に販売ができる環境がなければ、競争が平等にできないため、新規参入も少なくなってしまいますし、魅力もありません。

新たなプレイヤーが増えれば増えるほど、新しいイノベーションが起きるため、産業として発展していくと思います。

そして、問題が発生したら規制をしていこうというのが行政です。

仮想通貨が良い例かと思いますが、新しいものなので、規制もなにもなく普及していき、問題が発生したらそれに伴う規制が作られるという形ですね。

しかし、昆虫食業界の場合は、その規制が先に作られる動きになっています。

食という人の健康に関わるものだからということもあるかもしれませんが、私はそれよりも利権的な動きがあるのかなと思っています。

規制を作ると、それを守っているかチェックをする団体が必要で、そのチェックをする団体で働きたいという人がいるから、その組織を作るために規制を作るといった動きがあることです。

確かに、規制をすれば安定して安全なものが提供できる確率は上がりますが、参入障壁が上がるので、新規参入者が激減します。

まだ十分に育っていない業界で先に規制をしてしまったら、大きくなる前に小さな既得権益を守る人たちが障壁になって育たないといったことが起きるのではないでしょうか。

農業という守られる分野の取り組みだからかもしれませんが、問題が起きる前に規制をするという予防的な規制をしてしまったら、成長は鈍化するのは当然かと思います。

新たなイノベーション→問題発生→規制ではなく、予防したい→規制→縮小といった流れになっているのではないかなと。

規制緩和ということがたびたび言われますが、規制づくりを意識的に、しかもなるべく早くやろうという人もいるようで、ここの部分を抑える仕組みもあっても良いのではないかと思いました。

成長スピードが早い産業であれば問題が起きた後に規制したということで、行政は批判されます。

ただ、その批判を恐れて先に規制してしまうと広がらないので、難しいですね。

すべての成長の源泉は自由競争の環境を作ることであるということを「日本の競争戦略」という本で再認識して、改めて思いました。

-行政