ふるさと納税は、地域の魅力を発信しながら地元企業の販路拡大や雇用創出につながる制度です。
今回は、令和6年の寄付額をもとに、中間管理事業で成果を挙げている3つの事例を紹介します。
① 株式会社さかいまちづくり公社(茨城県境町)
- 運営主体:株式会社さかいまちづくり公社
- 寄付額(令和6年):約54億円
ふるさと納税の運営において、地元と外部の事業者を使い分ける戦略で運営。
令和6年の寄付額は約54億円を記録。今後は地元リソースに重点を置き、地域内完結型の運営へシフトする方針です。
公社ということから分かる通り、行政が設立したもので、道の駅さかいを運営。
その力を活用して、ふるさと納税での寄付増額に活かしています。
② こゆ財団(宮崎県新富町)
- 運営主体:一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)
- 寄付額(令和6年):約17億円
商品開発と中間管理を組み合わせ、地域ブランドを育成。
地域商社としてスタートし、代表的な取り組みに「1粒1000円ライチ」などがあり、そういったリソースを活かした取り組みとなっています。
令和6年の寄付額は約17億円。
地域の創業支援や企業誘致など、さまざまな方面での取り組みを実施しています。
まちづくり分野での認知度の高さから、他の地域から就職したいという人材が集まっており、地域の刺激になっています。
③ 一般社団法人まちのtoolbox(山梨県都留市)
- 運営主体:一般社団法人まちのtoolbox
- 寄付額(令和6年):約8億円
行政資本や人材の派遣がなく、自立した運営を行うモデル。
ふるさと納税を通じて「羽毛布団の生産が盛んな地域」であることがわかり、『ふとんのまち』としてのPRを実施。
令和6年の寄付額は約8億円。
地域人材の雇用と育成を行うことで、市内人材のスキルアップ、レベルアップを通じて全国的に通じる人材、地域を目指している。
移住や起業支援などの事業は山梨県の事業も実施しており、県内での活動範囲を広げている。
中間管理事業者が目指すべきこと
中間管理事業者は単なる事務代行ではなく、商品開発・販路拡大・人材育成を通じて地域の持続可能な産業基盤をつくる役割が期待されます。
以下の点が重要です。
- 寄付額向上に向けた戦略的な商品企画とプロモーション
- 地域事業者の生産力・品質向上支援と販路開拓
- 地域内雇用の創出と人材育成(中長期的な人的資源の蓄積)
- 行政との関係性(関与の度合い)と自立のロードマップの明確化
まとめ
事例 | 団体名 | 寄付額(令和6年) | 特徴 |
---|---|---|---|
茨城県境町 | 株式会社さかいまちづくり公社 | 約54億円 | 官民連携による大規模運営 |
宮崎県新富町 | 一般財団法人こゆ財団 | 約17億円 | 商品開発×中間管理で地域雇用創出 |
山梨県都留市 | 一般社団法人まちのtoolbox | 約8億円 | 自立型・地域経営型のモデル |