まちづくり

これからの地方創生を考え上で前提となる日本の現状と地方の選択肢

地方創生2.0基本構想が発表されました。

今後の方針が示されたのはもちろんですが、10年間取り組んできた地方創生1.0の反省を活かしているという点が大きなポイントかと考えています。

特に、現状の日本がこういう状況だから、今後こう考えるという現状分析もしっかり行われているので、今回はそちらを紹介したいと思います。

東京一極集中の人口:原因は若者と女性の移動

人口減少ということが言われてきましたが、その原因は若者と女性の移動にあるということが明確にされました。

人口は、10 年間で約 340 万人減少しています。

そして、高齢化率は過去最高の29.3%になりました。

日本の大きな人口動態の変化についてではなく、都市部と地方部の人口の偏りに注目している点がポイントかと思います。

日本全体の人の流れとしては、地方から地域の中心都市に、その中心都市から東京圏へと人口が移動する状況となっています。

そして、若年層がその大半を占め、進学や就職を契機に東京圏に転入しています。

また、一度東京圏に転入した女性は、地方に戻らない傾向があるということです。

この原因についても明らかになっていて、

  1. 都市部と地方部の賃金格差
  2. 男性と女性の賃金格差
  3. 地方のアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)

の3点だと言われています。

アンコンシャス・バイアスというのはわかりにくいかと思いますが、女性が子育てをすべきだといったジェンダー的なものや、地方や家業には未来がないから東京へ行けといった考えかと思います。

地方が日本のGDPの半分を占めるという現実:豊かになるには海外需要一択

この10年間、GDPが半分が地方によって担われているという状況に変化はありません。

しかし、地方部での労働力の減少が大きくなっています。

その原因は、生産性と賃金の格差だとされています。

面白いのが、地方が豊かになる唯一の方法について言及されている点です。

それは、以下の3点です。

  1. 生産性の向上
  2. 付加価値に見合った価格設定を行い、「海外に高く売 れるモノを作って売る」
  3. 地域資源の高付加価値化により、拡大するインバウンド需要を最大限活用することで、「稼げる」地域経済を作り、実質賃金の 上昇を図る

輸出かインバウンドという海外需要の一択だということですね。

地方の強みとは

東京、都市部への人口の移動はある一方で、地方にも強みがあります。

地方創生2.0構想の中では、地方への追い風として、

  • 地域資源に対する海外からの評価
  • AI・デジタル等の新技術による地方における働き方や暮らし方の変化

が言われています。

海外の需要は高まる傾向にあり、労働力不足という点でも場所にとらわれない働き方になってきたので、以前よりも不利な状況ではなくなってきたということかと思います。

 

以上ご紹介したとおり、地方創生2.0の現状認識としてのポイントとしては、

  • 日本の若者と女性
  • 海外の需要

この2つがポイントということになるかと思います。

その際に、AI・デジタル等の新技術や海外からの評価という追い風をうまく活かすということがポイントになりそうです。

次回は、こういった現状認識に加えて、地方創生1.0と地方創生2.0との違いについてご紹介できればと思います。

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